世界の筆記具ペンハウス
雑誌「趣味の文具箱」連載でもお馴染みの文具ライター・武田健さんによる「読みもの」コンテンツ。総保有インク2000本超えの自他共に認める万年筆インクコレクターである武田さん。万年筆とインクを中心に、文具にまつわるお話を連載していただきます。

初心者から上級者まで納得のセット登場!

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万年筆を使い始めた人だったら、誰もが納得することだと思うが、万年筆にはまると、芋づる式に万年筆に付随する様々な周辺文具にも興味がどんどん湧いてくる。

例えば、インク。万年筆は単体で使うことができないので、どうしてもインクが必要となってくる。ブラック、ブルー、ブルーブラックといった基本的な色のインクしかなかった昔と比べると、最近では実に多彩な色が普通に販売されている。ぼくが10年前に万年筆に興味を持ち始めたのも、その時すでに、パイロットの色彩雫や、エルバンのインクなど、実に多くの種類の色のインクが出ていたから。逆に言えば、こんなに色々な色のインクが出ていなかったら、ここまで万年筆にはまることはなかったかもしれない。

そして、万年筆、インクにはまると、今度は「書くもの」ではなく、「書かれるもの」に興味が出てくる。
万年筆で文字を書いた時の色の濃淡や変化などが、紙によって違ってくることを知り、だんだんとそういう紙に興味を持つようになるのだ。

その紙の延長線にあるのがノート。紙が束になっている状態のもので、万年筆を始めとする筆記具によって記述が可能になるのは、これらの紙やノートが存在するおかげだ。

万年筆、インク、紙、それらのどれか一つが欠けると、筆記を味わうことができない。
そんな3点をセットにした商品が発売されたので、今回はそのセットをご紹介したいと思う。

PLUSとセーラーのコラボ商品

持ちやすいスマートサイズで、ビジネスマンにも人気の「カ.クリエ」と、セーラー万年筆がコラボした商品は、ノート、万年筆、インクのセットで書く愉しみを味わうことができる。だからこれから万年筆を使ってみたいという人にぴったりの商品なのである。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セット内容は、カ.クリエノート、コンバーター付きセーラー万年筆(プロフィットジュニア)、オリジナルインクの3点である。ノートと万年筆とインクが同梱されているので、このセットさえあれば、何か購入する必要もなく、気軽に万年筆で筆記を楽しめる。

種類もPink、Navy、Purpleの3種類が用意されており、それぞれノートと万年筆とインクが同系色でまとめられているというこだわり方。特記すべきは、インクがこのセットのために作られたオリジナルインクなので、インク好きの人たちや万年筆上級者にも楽しめる内容となっているのだ。

カ.クリエノートの魅力

では、それぞれの内容物についてみていくことにしよう。
まずは、ノート。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

「書くことは、創造すること」というコンセプトのカ.クリエは、ジャケットの胸ポケットや内ポケットに入るスマートサイズなので、ビジネスマンにも使いやすいサイズになっている。しかも、このサイズは三つ折りのA4の資料などを挟める大きさでもあるので、会議で配られたレジュメなども一緒にしておくことができる。

資料を折る時のポイントは、ノートの左隅に設けられた3点の目印。ここに合わせてA4の用紙を挟みこみ、表紙を使って折る。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

さらにそれをもう一度折ることによって、A4の用紙もこのノートからはみ出すことなく、きれいに収まるのだ。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

そして、もう一つの特徴は、書き心地の良い紙で、ページがフラットに開く糸かがり製本なのも長時間万年筆を滑らせたいという人には最適なノートだ。ページもクリーム色なので、目に優しいというのもありがたい。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

カ.クリエそのものは、方眼だけではなく、無地や横罫のノートもあるのだが、このセットに同梱されているのは5mm方眼タイプで、その方眼も実線ではなく、点線なので、それほど見た目的にも邪魔にならないところが魅力である。

万年筆好きが紙類やノートで一番気になるのが裏抜け。万年筆で書く場合、他の筆記具と違ってインクが裏に抜けてしまうことがある。そのことを裏抜けというのだが、このカ.クリエのノートは万年筆で書いても裏抜けがしない仕様になっているので、ほぼその心配をしなくても良い。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

オリジナルデザインのプロフィットジュニア

では、次に万年筆を見てみよう。まず、ペン先は初心者にも使いやすいオーソドックスな中細のペン先。これなら細かい文字を書くことができるので、スケジュール帳にも使えるし、もちろん、付属のカ.クリエにもスムーズに書くことができる。そして、軸はノートと同系色に揃えているのも嬉しいところ。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

キャップを開けると、ペン先が現れるのだが、その時の首軸の部分は3色共通のブラウン。どの色とも調和が取れており、こういう色のセンスはセーラー万年筆ならではないだろうか。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

そして、このセットならではの特徴として、ペン先に施された刻印が、色によって変わっている点。ネイビーは富士山、ピンクは桜、パープルは鶴のモチーフが彫られている。こういうちょっとした遊び心が感じられるのはすごく嬉しいし、これはボールペンやシャープペンといった他の筆記具では味わえないところでもあるので、初めて万年筆を使うという人もそんなちょっとしたところに驚くのではないかと思う。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

軸の色に合わせたオリジナルインク

さらに、軸の色に合わせてオリジナルインクが用意されているところも、インク好きのぼくにとっては非常に魅力だし、インクをたくさん作っているセーラー万年筆だからこそできるところなのではないかと思う。
インクも、それぞれのノートや色に合わせた色が採用されていて。いずれもどこか和風な印象を持つ。それも、セーラーの四季織の番外編、という感じがして、それらのシリーズにコレクションとして加えてみるというのも良いだろう。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

3つのモチーフ、色展開の魅力

では、今度は3色ごとにそのセット内容を確認していくことにしよう。
まずはネイビー。ペン先の刻印のモチーフは富士山だ。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

ノート、万年筆、インクともに文字通りネイビーカラーで、シックな青。明るすぎず、すこし紺色に近い青で、ちょうど暮れなずむ空の色という感じがする。そして、それが実に富士山というモチーフにぴったりだ。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

ピンクのモチーフは桜。万年筆はとても淡いピンク色。で、まさに桜の儚さを色で表現している。非常に上品なので、男女を問わず、大人子ども関係なく違和感なく使うことができるのも魅力と言えるだろう。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

インクの方はそれほど淡いピンクというわけでもなく、判読性という点でぎりぎりのところのピンクという感じだ。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

そして、パープルの万年筆には折り鶴が刻印されている。これもまた独特だ。富士山、桜、そして次に考えられたのが折り鶴なのだろう。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

和風のシリーズで考えられているところがユニークで、また折り鶴というのも他にはあまり考えられないようなアイテムでもあるので、そこを選んだセンスも素晴らしいなと思う。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

ただ、これはぼくなりの勝手な意見なのだが、せっかくだったら、これらのシリーズの名前も、単なる色名ではなく、例えば、Fujiyama-Navy、Sakura-Pink、Orizuru-Purpleのようにモチーフと合わせた名前を付けてはどうだろうか。単なる色名よりも、その方がより具体的にこの色のストーリーを感じることができるし、ペン先のモチーフが際立ち、ユーザーも色をより身近に感じられるはずだ。

ギフトセットとしても最適

ともあれ、このセットは、ギフトボックスに入っているので、プレゼントとしても最適。価格も抑えられているので、もらった方もプレッシャーを感じることがなく、素直に喜ぶことができるというのも大きな特徴なのではないかと思う。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

PLUSとSAILORのコラボレーションは今回が第一弾ということなので、おそらく第二弾が登場するだろう。その時は一体どんなセットになるのか、今から非常に楽しみである。

セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

 
<この記事に登場する文具>
セーラー万年筆 万年筆 カ.クリエ プレミアムクロス×プロフィットジュニア限定セット

この記事を書いた人

武田 健
武田 健
文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは2000色を超える(2018年10月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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