世界の筆記具ペンハウス
雑誌「趣味の文具箱」連載でもお馴染みの文具ライター・武田健さんによる「読みもの」コンテンツ。総保有インク2000本超えの自他共に認める万年筆インクコレクターである武田さん。万年筆とインクを中心に、文具にまつわるお話を連載していただきます。

夏に奏でたいシンフォニーが誕生 ~シンフォニー デリカート~

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スイカ、花火、かき氷、風鈴、向日葵、蚊取り線香、ビーチパラソル、ヤシの木など、夏や南国に関するアイテムが大好きなのに、夏の蒸し暑さが大の苦手。
特に都会で過ごす夏は、暑さから逃げることができない分、身体的な負担も大きく、それによってやる気が起きず、夏の間はぐったりしてしまうことも多い。
でも、いつまでもぐったりしてはいられないので、せめて持ち物を涼し気なものにして、気分だけでも涼しく過ごしたいと常々思っている。

そんなぼくが最近夏になって意識をするのが、常日頃持ち歩いている万年筆だ。
できるだけ、涼し気な万年筆を持ち歩き、当然、その中に入れるインクも涼しさを感じられるような色を選ぶようにしている。
そんな夏に持ち歩きたい万年筆をご紹介してみたい。

シンフォニー デリカートの4つの色の物語

ペントから新しく発売となった新シリーズの名前は「シンフォニーデリカート」。
4色展開で、それぞれの色に意味があるのがこのシリーズの大きな特徴だろう。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

カメオピンクは「慈愛」、スノーホワイトは「純粋」、スカイブルーは「誠実」、コーラルグリーンは「平穏」だ。この色の大きなコンセプトは「心には色彩がある」ということで、その心の色を色彩で表したところがユニークだ。

また、どの色も半透明のマーブル柄で、涼し気な雰囲気を持っているところも魅力。つるんとした質感と、マーブル模様、さらにそれぞれの心の姿を現した色が見事にマッチしたデザインとなっている。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

軸の素材はアクリルレジンなのだが、このアクリルレジンはつるんとした表情を持っている。夏はそのつるんとしているところに涼を感じるかもしれない。ところが、このアクリルレジンの面白いところは、それだけではなく、独特のぬくもりも持っている。それは手にした時に、すべすべした感触の他にぬくもりを感じるからなのではないかと思っている。
だから、夏だけではなく、冬の寒い時期にも、気分的にぬくもりを感じさせてくれる軸として活躍してくれそうだ。

キャップにはうっすらと「Pent」のロゴと「Symphony in Stationery」の文字が透かし彫りで刻印されていて、そういうさりげないおしゃれが心憎い。
また、すべてのキャップリングにも大文字で「PENT SYMPHONY IN STATIONARY」と刻まれているところも見逃せない。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

では、それぞれの軸の色をじっくりと見ていこう。

慈悲―カメオピンク

慈しみ深い愛情を持った心をイメージしたのは、温かみのある少し赤みがかったカメオピンクだ。華やかな中にも、やわらかい雰囲気があり、優しい気持ちになれる。まさに慈悲の気持ちだ。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

昼間の明るい太陽だとか、あるいは夕焼けなどを彷彿とさせる色でもある。夏だったら海辺のリゾートで、あるいは山あいのコテージなどで、夕方にその日にあった出来事を記す時にこの万年筆を使ったら気分もあがるのではないだろうか。
中に入れるインクは何色が良いだろうか。軸に合わせて赤系のインクでも良いし、黒や茶色といった色のインクを入れても、この軸の色がさらに映えるだろう。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

純粋―スノーホワイト

真っ白な色のスノーホワイトは、一途でひたむきで雪のように白い純粋な心を表している。持っているだけで、すっきりとした気持ちになれるし、どんな持ち物にも似合うのも白ならではの大きな利点だ。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

白なので、中にインクを入れてしまうと、色が透けるのではないかと不安に思う人もいるかもしれない。しかし、半透明なので、インクを入れても、それほどそれが目立つこともないので、安心して濃いめのインクを入れられる。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

夏は青系の清涼感あふれるインクを入れて、さらにこの軸の白さと合わせて手元を涼しく演出しても良いだろう。
冬は暖色系のインクを入れると、ぐっと温かみが増すので、このスノーホワイトは一年を通じて使える万年筆と言える。

誠実―スカイブルー

まるで夏の雲一つない空を思わせるようなスカイブルーは、真面目で、偽りのない誇り高い心の色のようだ。個人的に大好きなブルー。しかも、実に見事なバランスを保ったブルーだと思う。濃すぎず、薄すぎず、程よい明るさのブルー。持ってるだけで、背筋がぴんと伸びそうな、そんな感じもする。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

中に入れるインクは何が良いだろうか。青系のインクはもちろんのこと。少し緑がかった色を入れても良いだろうし、青とは反対の暖色系のインクを入れるのも似合うと思う。
いずれにせよ、色的にも涼し気なので、これからの季節はぜひこの色で、せめて手元だけでも気分的に涼しくするのも良いだろう。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

平穏―コーラルグリーン

珊瑚礁を思わせるような美しいグリーンは、常に静かで穏やかな心をイメージしている。どんなに海面が荒れていても、海の中はひっそりと静まり返っている。いつもそういう気持ちで過ごしたいと願わずにはいられない。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

心を亡くしてしまうくらい忙しい時ほど、穏やかな気持ちをできるだけ保ちたいと思うもの。それはなかなか難しいことではあるけれども、この色の軸は、少しでもそういう気持ちにさせてくれるのではないだろうか。
だから、中に入れるインクも、同系色の緑が最適だろう。軸とインクの色の効果で、さらに安らぐことができるのだ。特に毎日の生活に追われている人に使ってもらいたい軸である。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

多色組み合わせの魅力

この「シンフォニー デリカート」は全4色なのだが、すべて金トリムで統一されており、さらに同型なので、他の色と組み替えることができるのも大きな特徴だ。

もちろん、それぞれの色はとても美しいので、一本だけでも非常に魅力的だが、さらにこのシリーズは自分の好きな色を組み替えて楽しむことができる。
いつもとは少し気分を変えてみたい。ファッションに合わせて、万年筆も装いを変えて楽しみたい、というわがままにもこのシリーズは応えてくれるのである。

そこでぼくのおすすめの組み合わせ方をご紹介してみよう。
まずは、スカイブルーとスノーホワイトの組み合わせだ。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

同じマーブルレジンなので、青と白のコントラストも柔らかめで、清々しいすっきりとした雰囲気の中に優しさも感じられる組み合わせと言えるだろう。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

そして、ホワイトはどの色とも合わせやすいので、例えば、カメオピンクと合わせるとこんな感じになる。単体で使うのとはまた違った魅力があり、持つのが楽しくなる組み合わせではないだろうか。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

4種類揃えると、さらに首軸とも着せ替えが可能になるので、バリエーションは無限大に広がっていく。
ぜひ、自分なりの楽しみ方をみつけてみたいところだ。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

夏の準備を始めよう!

梅雨に入ろうとするこの時期に届いた、暑い夏を乗り切るのにぴったりなシリーズ。今からこれらの万年筆で、暑い夏の対策を練ってみるのも良いだろう。
暑中見舞いにぴったりな柄のレターセットを用意して、準備をしておくのも手だ。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

どんなに避けようと思っても避けることができないのであれば、いっそのこと、思い切ってこの暑さを楽しむのもひとつの方法だ。そのためには、手持ちの小道具から揃えていくのも良いだろう。そんな時、ぜひこの「シンフォニー デリカート」を手に取ってもらいたい。

ペント シンフォニー デリカ―ト 万年筆

 
<この記事に登場する万年筆>
Pent〈ペント〉 万年筆 シンフォニー デリカート

この記事を書いた人

武田 健
武田 健
文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは2000色を超える(2018年10月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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