夏を乗り切る特効薬、PENT彩時記万年筆「幻蒼海」
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夏を乗り切る特効薬、PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

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PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

全国的に梅雨が明け、本格的な夏がやってきた。
連日の猛暑に体力を消耗してしまって、ぐったりという人も少なくないだろう。
冬の寒さは服を着こめばなんとかしのげるが、夏は服を脱いでも暑いし、外出先ではそういうわけにもいかない…。ということもあり、ぼくは夏の暑さが少し苦手である。
しかし、せめて気分だけでも涼しく過ごす方法はある。
団扇や風鈴、あるいは涼しげな手ぬぐいなどを使うというのも夏の暑さをしのぐのに有効な手立てだとは思うが、文具好きの人は、涼しげな文房具を使うというのも良いのではないだろうか。例えば、青い表紙のノートを持ち歩いてみたり、ペンケースを水色のものにしてみたりするだけでも気分的にかなり涼しく感じられるはずだ。
そして、もう一つぼくが実践しているのは、透明軸にラメが入っているタイプの万年筆を使うことだ。これが実に効果的なのである。
透明軸というだけで涼し気なのだが、さらにそこにラメが加わることによって、より清涼感が増す。それは水面のきらめきを連想させるからなのかもしれない。
今日は、そんな夏をしのぐのにふさわしい万年筆をご紹介したい。それが、先日発売されたばかりの「Pent万年筆 彩時記 幻蒼海」である。

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

これは、大人気のオリジナルインクシリーズ「彩時記」の色をモチーフに作成された万年筆シリーズで、今までに、ベーシックなクリアタイプで彩時記のプロローグとも言える「黎明」、春をイメージした「桜」、初夏の爽やかな風を思わせる「青緑」がリリースされている。
さて、今回の「幻蒼海」は、まさに夏にぴったりの色味で、清涼万年筆と呼ぶのにふさわしい一本なのではないだろうか。
最初に惹きつけられるのは、その色である。ボディは、深みのある濃紺で、さらにクリア軸だから透明感もある。すっきりとした爽やかさを感じるだけでなく、濃い色なのに、重たくないという、まさに幻想的な雰囲気を、その色から楽しむことができるのだ。
さらに、この「幻蒼海」の魅力はその神秘的な色だけではない。そこにラメが加わっているのだ。そのラメによって、表情がまた一段と立体的になるのではないだろうか。加えて面白いのが、そのラメの色。これらは単色ではなく、いくつかの色のラメが入っているのである。光が当たると、その角度によって見え方が違ってくるのは、多彩なラメの色のせいなのではないかと思う。

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

ラメの入った万年筆というのは、最近しばしば目にするが、そのラメの大きさ、色、また入り方もお店ごとに特徴があり、それによって見た時の印象も異なってくる。この「幻蒼海」も、ほかのお店のラメ入り万年筆にはないユニークな点がある。
これはパッと見ただけではわかりにくいかもしれないのだが、軸のラメの入り方をよく見てみると、そのラメの練りこまれている位置が様々なのである。つまり、樹脂の比較的浅い部分だけではなく、深い部分にもラメが入り込んでいて、それがさらに軸そのものに奥行きを与えているのだ。
まるで、日差しが波の表面を輝かせているのと同時に、海の深い部分までも照らしているかのようなきらめきを感じさせる。
たった一本の万年筆にここまで細やかな表情を持たせているのは驚きでもある。

夏の太陽に透かしてみると、またそのきらめきもぐっと輝いて見える。まさに夏だからこそ楽しめる万年筆と言えるだろう。

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

そして、おなじみのペン先にも注目したい。Pentのシンボルとも言える羽根が刻印されたペン先は、すっきりとしたデザインで、そこがまた涼し気で、文字を書いている時に、ふと手元のペン先をのぞき込むと、軽やかな気分になるだろう。

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

もし、このシリーズを何本か持っているのであれば、ぜひ、いろいろな組み合わせで使って欲しい。ぼくは、『青緑』と一緒に使うことを考えている。この二本を並べただけで、爽やかな風を感じるし、火照った体も少し落ち着きそうだ。

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

今年の夏は果たしてどんな夏になるのかさっぱり予測がつかないが、これらの万年筆さえあれば、きっとどんな暑さも乗り越えることができるだろう。

PENT彩時記万年筆「幻蒼海」

<関連リンク>
万年筆 彩時記 幻蒼海(げんそうかい)
ボトルインク 彩時記 幻蒼海(げんそうかい)

この記事を書いた人

武田健
武田健
文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは2000色を超える(2018年10月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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