9月に入り、少しは暑さも和らいできたような気もするけれども、まだまだ残暑は厳しく、油断はできない日々が続いている。いったん涼しくなっただけに、暑さがぶり返すと、それまで以上に暑さを感じることもあり、心身ともにぐったりしてしまいがち。
夏の疲れが出やすいのもこの時期なので、くれぐれも注意しながら毎日を過ごしたいところ。
さて、今日ご紹介するアイテムは、机の上で使ってみたいガラスのペーパーウェイトだ。
まだ暑さの残るこの時期だからこそ机の上で清涼感が増すし、夏の名残を味わいながら楽しむことができるのではないだろうか。ガラス製なので、涼しさを演出できるだけでなく、机の上のワンポイントとしても最適だ。
先日ご紹介したPent〈ペント〉ペーパーウェイト 宙 <そら>とはまったく違ったデザインで、これもまた独特の世界観を持っている。
このペーパーウェイトは、京都の静かな山の中にあるガラス工房で様々なガラス作品を作っている荒木桜子氏によって作られたものである。ご本人も万年筆を始めとする文房具がお好きだということもあり、その文房具への愛が作品に投影されているように思える。
立方体のシンプルなガラスの中に美しい自然の色が封じ込められたようなデザインで、芸術品としても持つ人の目を楽しませてくれる。
今回ご紹介するのは、美しい渓流をモチーフとした「藍(あい)」と「翠(みどり)」だ。それぞれ、正立方体の「スクエア」と長方立方体の「レクタングル」の2種類のサイズが用意されている。
藍の方は渓流の水を思わせるような鮮やかなブルーが印象的で、一方の翠は渓流の緑豊かな木々を彷彿とさせる深みのある緑が特徴的だ。
どちらも透明なガラスの中に封じ込められているので、「藍」はまるで水のかけらを、「翠」は風にそよぐ葉っぱを閉じ込めたような感覚に陥る。色付けに使用されるガラスの粒は、1色だけでなく、同系色の色を何種類も使っているので、透明のガラスの中で様々な表情を見せてくれ、とても立体的だ。
これらのペーパーウェイトが机の上に置かれているだけで、まるで渓流のさわやかな水音が聞こえてきそうな、そんな気がしてくる。
これらのペーパーウェイトは、色を楽しむのに最適なので、ぜひ、原稿用紙や万年筆もそれに合わせて使ってみるのも良いだろう。例えば、青系の万年筆には「藍」が映えるし、緑系の万年筆を使う時には「翠」がぴったりだ。
実用的なペーパーウェイトというだけでなく、机の上に置くことによって、その机の上がそれだけですっきりとした印象になり、インテリアにも最適だ。
<記事に登場する文具>
・Pent×色工房 ペーパーウェイト 渓流
・Pent×セーラー万年筆 特別生産品 彩時記
・あたぼうステーショナリー 飾り原稿用紙
・あたぼうステーショナリー ふたふで箋
この記事を書いた人
- 文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは2000色を超える(2018年10月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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