世界の筆記具ペンハウス
雑誌「趣味の文具箱」連載でもお馴染みの文具ライター・武田健さんによる「読みもの」コンテンツ。総保有インク2000本超えの自他共に認める万年筆インクコレクターである武田さん。万年筆とインクを中心に、文具にまつわるお話を連載していただきます。

ターコイズの魅力

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青好きヒストリー

子どもの頃から青が好きだった。母によると、言葉を話す前からぼくは青を選んでいたらしく、どうやら筋金色の青好きだったと思われる。しかし、青だったらなんでも良いのかっていうと、そういうわけでもなく、小さい時は水色のような明るい青が好きだったし、80年代は前回のコラムでも少し触れたパステル調のブルーのものを集めていた。社会人になってからは、明るい水色よりも、もっと濃い青(インクでいうと、セーラー万年筆の「蒼天」のような青)が好きになった。そして、今ぼくが一番好きなのは少し緑がかった、いわゆるターコイズブルーだ。とにかく、青のような緑のような微妙な色合いに心惹かれるようになったのである。

万年筆に興味を持ち始めてから、ますますそのターコイズ愛は高まっていき、とにかくターコイズ色の万年筆はかたっぱしから集めたくなる衝動に駆られ、ほとんど重症。

いつの間にか手もとには、グラデーションができるほどの様々なブランドの様々なターコイズ色の万年筆が集まってきた。

ターコイズの魅力

そんな中、ついに、PEN HOUSEのオリジナルブランドPentから「ターコイズ」という名前を冠した万年筆が登場した。それがPRECIOUS TURQUOISEだ。

絶妙な色合い

この万年筆の発売をSNSで知った時、ぼくは思わず叫んでしまった。まさか、このタイミングでTURQUOISEが出るなんて思いにもよらなかったし、まさにぼくが好きな色だから、叫ばずにはいられなかったのだ。

ただ、写真で見ると、ぼくがイメージしているターコイズとは少し違うような気がして、少し不安になった。ターコイズと一言で言っても、実はとても範囲が広くて、水色に近いターコイズもあれば、かなり緑寄りのターコイズもあり、そのグラデーションのどの部分のターコイズなのか、ということがぼくにとってはとても気になるところであったのだ。
あまりにも明るいターコイズだと、すでに持っている「PRECIOUS AQUAMARINE」とかぶってしまうし、かといって濃い色にすると今度はこの前発売された「PRECIOUS LAPIS LAZULI」と似た感じになってしまう。では、どんな「ターコイズ」なのか、実物を見るまでは不安だった。
ところが、実際に届いた「TURQUOISE」を見たら、そんな不安は杞憂だったことがわかる。

ターコイズの魅力

こうしてじっくりと眺めてみると実に絶妙な色あいなのだ。濃すぎず、かといって明るすぎず、青すぎず、緑すぎず、バランスの良い色合い。比較するものがないと、はっきりとわからない色あいなのは、それだけ微妙な色だからなんじゃないかと思う。だが、他のPRECIOUS シリーズと並べてみると、TURQOISEがどれだけ良いバランスなのかが良くわかるだろう。

ターコイズの魅力

高級感あふれるディテール

そして、とにかくこのシリーズが魅力的なのは、ラメの入り方が大胆なところ。そこにピンクゴールドのトリムがあしらわれることによって、高級感が増し、手にしたときにゴージャスに見える。そこがPRECIOUS シリーズの魅力で、TURQOISEは色的にも非常に魅力的なので、さらに持った時、文字を書いた時の喜びはひとしおだ。

ターコイズの魅力

ターコイズの魅力

また、おなじみの「Pent」の刻印がされたペン先にも注目したい。

ターコイズの魅力

ターコイズの魅力

「Pent」のロゴと、羽のモチーフが、書いている間に視界に入ってくると、それだけで軽やかに文章が書けるような気持ちにもなるし、ちょっと改まって万年筆に向かおうという気持ちにもなる。

光によって色が変わる不思議な軸

ところで、今まで挙げてきた写真を見て、不思議に思う人もいるかもしれない。なぜなら、色がまったく違って見えるから。ターコイズというのは、青と緑の混ざった色なので、光源によって、色味が違って見えることが多い。これはこの万年筆に限ったことではなく、どの万年筆でも起こる現象でもある。インクにしても、ターコイズ、つまり青緑色というのはスキャンするのが難しい。

微妙な青と緑の中間の色あいがなかなか出ないからだ。
でも、その青とも緑ともつかない中間色だからこそ、神秘性が増すということもあるのではないだろうか。

ターコイズの魅力

ターコイズの魅力とは何か

この万年筆を見た時、ぼくは、数年前に買った指輪を思い出した。ターコイズは山羊座生まれのぼくにとっては守護石でもあるので、ずっとターコイズの指輪が欲しいと思っていたのだが、なかなか自分の思い描いているものが見つからなかったり、あまりにも高価すぎて手が出せなかったりした。ところが、ある時、とあるセカンドユースのお店で、大きめのターコイズの指輪を見つけた。それなりのお値段ではあったけれども、正価よりも破格の値段だったし、まさにぼくが思い描いていた色と柄だったので、迷わずに購入した。

PRETURQUOISE TURQUOISEを見た時、これは一緒に並べてみたらどうかと思って、並べてみたら、ちょうど色も雰囲気もこの万年筆に合うではないですか!

ターコイズの魅力

ターコイズの魅力

ターコイズは、古来西洋では魔除けの石として珍重されてきたし、今でも守護石として知られている。ぼくも後でそのことを知り、余計ターコイズに対する憧れの念が強くなっていったので、こうして似た雰囲気の万年筆と並べると、さらに愛着がわいてくる。

青のコーディネート

ぼくは、万年筆だけではなく、手帳やペンケース、カバンに至るまで、青系のもので色を統一するようにしている。そうすると、自然と青系のものですっきりとトータルコーディネートでき、そういう風にして自分の身の回りの物を自分の好きな色で固めることで、気持ちも落ち着くし、楽しい気持ちにもなってくる。

ターコイズの魅力

ターコイズの魅力

だから、このPRETURQUOISE TURQUOISEはぼくの今まで集めてきた文具類とも相性が良く、これからますます大活躍してくれるだろうと期待しているのだ。

ターコイズの魅力

ターコイズの魅力

 
<この記事に登場する万年筆>
Pent×セーラー万年筆 プロフェッショナルギア レアロ ピンクゴールド プレシャス ターコイズ

Pent×セーラー万年筆 プロフェッショナルギア レアロ ピンクゴールド プレシャス ラピスラズリ

Pent×セーラー万年筆 プロフェッショナルギア レアロ ピンクゴールド プレシャス アクアマリン

この記事を書いた人

武田 健
武田 健
文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは2000色を超える(2018年10月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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