世界の筆記具ペンハウス

NANIWA PEN SHOW 2026

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好きなものを応援し、楽しむ活動としてすっかり定着した「推し活」。
好きなアーチストのライブを追いかけて遠征するように、文具ファンにとってもイベント参加は立派な推し活です。
なかでも、絶大な人気を誇る「文具女子博」は、東京・横浜と大阪会場がもっとも規模が大きく、こちらには、日本各地からファンが足を運びます。
2026年5月に、大阪で開催された「Naniwa Pen Show 2026」にも、遠方からもはるばるやってきた、文具ファンの姿を数多く見られました。
今回は、関西を代表するペンショーの会場の様子をレポートします。

Naniwa Pen Show 2026

「世界の筆記具ペンハウス」では、東京で開催される「東京インターナショナルペンショー」の会場レポートを毎年お伝えしてきました。
実は関西でも、万年筆や紙もの好きが集う一大イベント「Naniwa Pen Show」が、開催されています。
2026年5月30日に開催された「Naniwa Pen Show 2026」には、70社を超える企業・ブランド・クリエーターが出店しました。
また、今年は大阪府印刷工業組合が主催する「ペーパーサミット」が同時開催されたことで、文具大好きにとって見逃せないイベントとなりました。
主催は、大阪・堂島にある文具店「ギフショナリーデルタ」。
文具ファンからは”デルタボス”の愛称で親しまれている前田社長の呼びかけのもと、大手メーカーから個人作家まで幅広いブランドが集まりました。
特に印象的だったのは、普段は競業関係にある、文具専門店同士が垣根を超えて、出店していること。
ライバル店までまとめあげる、”デルタボス”前田社長の手腕に敬服です。

ギフショナリーデルタ

今回のTopは、主催者である「ギフショナリーデルタ」のブースから。

ペーパーバックというのは、ハードカバーの単行本に対して並製本と呼ばれる廉価な書籍を指す言葉で、日本だと文庫本・新書に近いイメージの刊行物の呼び名です。
ギフショナリーデルタでは「Naniwa Pen Show 2026」のために、イベントのテーマデザインをペーパーバックに見立てた、無地のノートを作成しました。
完全に洋書をイメージしていて、小脇に抱えて散歩するだけで、おしゃれ感が溢れます。
ペンショーのイベントで発売するだけあって、ノートの用紙には万年筆での筆記に適したHSライトフォースを採用。この用紙は、ギフショナリーデルタのオリジナル「梅田ノート」にも採用されていて、その実力は実証済みです。
さらに、表紙デザインのバリエーションに加えて、小口・天・地に絵柄が印刷されているモデルがあります。こちらはペーパーサミットに出展している田中手帳の特別な技術で印刷されて、ペンショー会場限定モデルらしい1冊に仕上がっています。

るぅの&ロンド工房(dunn)

「がま口ペンケース」で人気を集めているクリエーター「るぅの」と、薄い名刺入れ「カードリッジ」のロンド工房がコラボした、革製の「がま口ペンケース」。
オシャレで生地の柄が可愛いオリジナル「がま口ペンケース」が革製になると、途端にフォーマルな装いに変身、万年筆がよく似合う大人のペンケースになりました。
それぞれが、異なる会社でありながら、両者のメリットを最大限に活かし、協力することで新しいプロダクトを生み出しています。

Teriw(テリュー)

テリューは日本でも数少ない「下敷き専門」のブランドです。
本業は、文具などの書籍や雑誌を手掛ける編集プロダクションですが、クラウドファンディングで、ついにメーカーとして文具業界に参入。
文具ファンにあらためて、下敷きの魅力を再発見せてくれる機会を与えてくれました。
今回は、新製品として「テリューザマットA6」と、「テリューザマットポケット」を発売。
ブースでは、未体験の来場者に下敷きの書き心地の違いを感じてもらい、愛用者には新モデルをPR、愛用手帳の数だけ欲しくなる「テリューザマット」です。

SHINARI(シナリ)

SHINARIは、ご夫婦でハンドメイドの革製バインダーノートを手掛けるブランドです。
今、システム手帳でも人気を集めているmini6のスクエアモデルなどを販売しています。
中でも、上品な革と金属製のバインダーを採用したルーズリーフ規格(JIS規格)革製A5ノートは高級感に溢れて、ビジネスツールとしても活躍してくれそうです。
学生時代からルーズリーフを愛用しているユーザーには、魅力的なアイテムといえます。

パイロット

「Naniwa Pen Show 2026」の魅力は、個人クリエーター(作家)から、ベンチャーブランドまで集まることですが、筆記具の大手メーカーパイロットコーポレーションも参戦しています。
パイロットブースでは、6月中旬頃に発売を予定の、キャップレス万年筆の先行試筆会が行われていました。
スチールペン先を採用したモデルの先行試筆会が開催されており、ボクもひと足はやく、体験させてもらいました。
近年、金やロジウム(ペン先に使われるチップ)に価格が高騰して、14金ペン先の万年筆が気軽に手を出しにくくなっている中で、ステンレスニブを採用したモデルに各メーカーが力を注ぎはじめています。
今回展示された新モデルは、ステンレスペン先を採用していますが、想像以上に滑らかな書き心地でした。初心者だと判別しづらいほど、完成度の高い仕上がりでした。
さらに、キャプレス万年筆ファンや万年筆愛好家を満足させてくれる、18金ペン先のスタブモデル(縦方向には太く、横方向には細い文字書けるペン先)が日本国内に初登場。こちらも、6月中旬の発売を予定しています。

まとめ

今年で5回目となる「Naniwa Pen Show 2026」は、書くもの・描くもの・紙物・革物・ペンにまつわる様々な道具や技術を楽しんでもらいたいというイベントです。
古く中国では、筆・硯・墨・紙を「文房四宝」と呼んでいました。
道具は時代と共に変化しても、人が何かを書き、記録し、表現する営みは今も変わりません。
会場を歩いていると、新しい文具に出会えるだけでなく、使い方の発見や創作のアイデアを見つけられる場所にもなっています。
今回も、開場前から熱心なファンが列を作っていました。それらの”待つ”時間すらもクリエイティブな時間に変えてしまう、そんな人たちが集まる場所が「Naniwa Pen Show 2026」だと感じました。
お別れの写真は、ギフショナリーデルタにコーヒーを提供している「北浜ポート焙煎所」が今回のためにブレンドした「ペンショーブレンド」。
書斎で、お気に入りの文具を愛でながら飲むコーヒーはまた格別です、今の時代、コーヒーも文房四宝のひとつに数えられそうです。

この記事を書いた人

出雲義和
出雲義和
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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