玉石参房 第五十一房 2026肆PLUS ―旅彩Tabi-Irodori―美ヶ原
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玉石参房 第五十一房 2026肆PLUS ―旅彩Tabi-Irodori―美ヶ原

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今回は2026年3月新発売のPent「旅彩―tabi-irodori―」インク4色から、
「美ヶ原」のお色見本を作ります。どうぞよしなに。

6月から美ヶ原で一面に咲き始めるレンゲツツジの色をイメージしました。
実際の花はこちら。


咲きはじめはオレンジ色が強く、徐々にピンク色が濃くなります。
(竜島温泉せせらぎの湯の浴室から見える植栽のレンゲツツジ・同じ花の色変化)

旅彩インク「美ヶ原」もレンゲツツジの色変化をイメージしています。

塗りはじめは鮮やかなオレンジ寄りの朱赤から、
乾くとピンク味をおびたやさしい色へ。

そして紙によっても、ピンクが強かったり、オレンジが強いなど
微妙な色変化がたのしめます。

この色に近い鉱石・カーネリアンを描きました。

インクをこすって剥がすケセラで、下書きと白抜きしたい部分を。
つるりとした手ざわりの用紙だと、くっきり白抜きができます。

紙目の粗い、ざらざらした用紙(掲載画像のような水彩紙など)では
ケセラの下側にインクが染みて白抜きは難しい場合もありますが、
それをあえて目指して、奥行きのある色表現にトライ。

劈開(へきかい・鉱石の構造・しましま部分)の線をさきに
ケセラで書くことで、後乗せした「美ヶ原」インクと相乗効果。
ケセラ全色で線をかきたしたりすることで、赤系のいろもグッと締まります。

レンゲツツジの色はおいしそうな色でもあります。
ケセラや筆touchサインペンなども駆使して。

きっちり塗る部分、大胆にはみ出す部分とメリハリをつけて。
「美ヶ原」インクを水でうすめ、淡いピンクやオレンジを。

個人的に赤系の万年筆インクはかなり使います。
書写作品では枠線や作者作品名を篆書体で万年筆で表現しますし、

資料や手帳で項目をめだたせたい線引きや書きこみなど、
最重要な意味をもたせるために赤系を。

それから、わたくしは作品制作のまえに
手ならしとして縦横の線引き練習をするのですが、
反故紙などではなく、手帳用に自分でカットした各種用紙を使っています。

画像でみると違いがわかりにくいのですが、
実物は各用紙で微妙に発色が違っています。

書いているときの紙との接地感、インクの吸い込みや乾き具合、
ゆっくりとした静かな色の変化。
手書きの醍醐味。

フリーハンドで、できるだけ丁寧な線を引く練習として
升目や線を書いたあとは、お気に入りの手帳にはさみ、

赤とは異なる別のいろのインクでこれに書きこみます。
枠線としてちょっと強い赤色でも気にせず、
各インクの色をつかって枠線の色と対比させたり。

あえて上には書きこまずインク帳としても、
いろいろな色のインクで書きこむメモやタスク記録としても。

先述の一面塗り拡げた用紙を型抜きして、手帳デコ用に。
あえてムラのある塗り方のほうが、型抜きも楽しくなります。
塗って切って描いて書いて貼る。ああ、たのしいね。

日々の記録がつみかさなり、あとでふりかえるとき、
色を選んだあの日の自分が、ちゃんとそこにいるのです。

※※※※※

L’endroit que j’ai visité était la ville natale de quelqu’un.
―訪れた場所は誰かのふるさとでしたー

色にいざなわれて開ける扉の向こうにひろがる、
濃く淡く美しい万年筆インクやさまざまな筆記具、紙、色の世界。
文具の楽しみの入り口となれば幸いです。

普段は外食しない勢ですが(というか首都圏に比べて店舗がほぼ無い地域)
今回の絵の勉強だ~♪(ニヤニヤ)という口実にて約10年ぶりに苺パフェを店内メニューで探したところ、
跳ね上がった値段で瞬間身と心臓がすぼまった朝比奈斎(結局自宅で簡易パフェ)でした。
ではまた。

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この記事を書いた人

朝比奈斎
朝比奈斎
憧れの高級文具から教室に忘れ去られた名もなき消しゴムに至るまですべての文具を偏愛する者。
文字は下書き無し・肉付け塗り無しの一発書き。
文具・画材・多肉愛好家として雑貨店「SHOP511」にて多肉植物の育成販売と文具雑貨諸事の販売に携わる。好きな言葉は「玉石混淆」

Twitter:@asahinaitsuku
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