
もう10年ほど昔のお話ですが、消せるフリクションボールの4色モデルに、消えない油性インクを加えるカスタマイズ術の記事を書いたことがありました。
当時、パイロットコーポレーション(以下パイロット)から、「フリクションボール3や4」(以下フリクション多色モデル)に対応した、純正の油性インクの替え芯は、販売されていませんでした。


そんなとき、UNUS PRODUCT SERVICE.(以下UNUS)から「リフィルアダプター」という製品が発売され、4C規格のボールペンリフィルと組み合わせる事で、「フリクション多色モデル」に油性「黒」インクの使用を可能にしてくれました。

フリクションインクは、滑らかな書き心地で普段の使いの筆記具に愛用されている方も多いと思いますが、ボクの場合、旅の筆記具として活躍してくれています。
「フリクション多色モデル」は、旅先でもらったパンフレットや地図に印を付けたり、メモを書き込んだりするのに、とても便利な筆記具なのですが、消せるフリクションインクだと、郵送の途中で何らかの熱が加わり、宛名や文面が消えてしまう恐れがあるため、絵はがきや手紙を書くのには不向きでした。 このUNUS「リフィルアダプター」を使い、愛用の「フリクションボール多色モデル」に、消えないインクが加わったことで、オンでもオフでも活躍してくれる最強筆記具になりました。
消えるインクの謎

ちょっとおさらい。フリクションボールペンは、これまでのボールペンの概念を覆す“消せる”という特徴を持った、パイロットが独自で開発したインクです。
厳密に言うと“消せる”のはではなく、ペンのラバー部分でこする際に発する熱で、インクが透明になる性質を利用しています。
インクが無色になるのは約60度の温度といわれているので、炎天下の車内にフリクションボールペンや、フリクションで書いたメモを放置してしまうと、インクは透明化してボールペンは筆記できなくなり、メモは読めなくなります。
しかし、温度が下がると無色になったインクが再び色を取り戻します。この時の温度は約-20度と言われていますが、家庭用の冷凍庫(約-18度)でも復活する可能性があるので、機会があれば一度試してみてください。子どもと一緒にすれば理科の実験みたいで楽しいですよ。
フリクションボールスイッチ

「消せるフリクション」と「消せないインク」がひとつになったフリクションボールペンが欲しい!と思っていたユーザーがボクの他にもいたようで、メーカーでは「お客様のニーズに応え!」と、この2つの異なる機能を備えた「フリクションスイッチ」を、2026年3月5日に発売しました。 このモデルは従来の”消せる”フリクションインク(黒・赤・青)に、油性の”消えない”黒インクを加えた3+1の構成になっていて、これまで”公的な書類にはつかっちゃダメ”といわれた不便さから解放されて、活躍の場がさらに広がります。

また、インクを間違えないように、消えない黒の油性インクのノックはクリップの位置にあり、他の消えるフリクションインクとの操作ミスが起きにくい設計になっていて、デザインと合わせてうまく考えられています。
フリクションシナジー3

カスタマイズの可能性をさらに広げる新モデル「フリクションシナジー3」が2025年12月に登場。
「フリクションシナジー3」には、”シナジーチップ”と呼ばれる、「Juice UP(ジュースアップ)」のために開発されたペン先を採用しています。
極細なのにインクが掠れにくくてしっかり書けること、筆記先をピンポイントで狙えるなど、細字好きユーザーを魅了した技術です。
このシナジーチップを搭載した「フリクションノックシナジー」(単色モデル)は、2024年に発売されているので、すでにこの書き心地を体験済みの方もいらっしゃるかとおもいますが、シナジーチップ搭載の「フリクション多色モデル」がラインナップに加わり…つまり「フリクションボール多色モデル」で使える替え芯のバリエーションがさらに増えました。
フリクションボールのカスタマイズ術
文具ファンの多くは、お気に入り筆記具をたくさん鞄に詰め込んでお出かけするひとが多いかもしれませんが、マイノリティー?なボクは、旅行や出張など出かける際はできる限り厳選して「少数精鋭」でおでかけしたい派です。
そこでフリクションボール多色モデルの中身(替え芯)を組み替えるカスタマイズすることで、1本に筆記具に多機能を詰め込んで楽しんでいます。
そんな一例をここで紹介します。
「フリクション多色モデル」の替え芯は基本的に互換性があるので、従来の「フリクションボール3」や「フリクションボール4」、そして新しい「フリクションシナジーノック3」「フリクションスイッチ」にも使用が可能です。さらに、替え芯のカラーバリエーションも豊富なので、個人の好みあったカスタマイズも楽しめます。
カラフルボールペン化

基本の黒・赤・青に加えて、オレンジやピンク、バイオレットなど、手帳や学習ノートを色鮮やかに彩るカラーバリエーションが17色(0.38mm)もあり、最近話題のノートコーデが楽しめます。
「フリクションボール4」が2本あれば、8色ボールペンに、3本あれば12色ボールペンになるので、ペンケースの中身をスッキリさせれ、一度にたくさんのカラーボールペンを少ない本数で持ち歩けます。
異なる字幅を1本に

フリクションボール(多色モデル)には、上記に書いたカラーバリエーションの他に、字幅0.5mm/0.4mm(シナジー芯)/0.38mmがあります。
これを「フリクション多色モデル」に異なる字幅のフリクションインクの黒芯で揃えてみると?
たとえばA5サイズのノートには0.5mm、モレスキンノートブックのような手帳には0.38mm。
ペン先が細くてピンポイントで書きたい場所を狙いたいときにはシナジーチップ芯の0.4mmといったように、書く対象によって字幅を変られるフリクションボールペンが生まれます。
シナジーチップ搭載モデルに

新しく発売された「フリクションスイッチ」に、フリクションシナジーの替え芯と取り替えれば、細字好きのユーザーには新しい筆記体験を提供してくれそうです。
| ※注意※ 「フリクションボールスイッチ」に採用されている消えない黒インクは、他のフリクションインク替え芯との互換性がないため、既存の「フリクションボール多色モデル」では使えません。 いま持っている「フリクションボール4」に替え芯だけ買って”なんちゃってフリクションスイッチ”にする技は、使えないのでご注意ください。 |
まとめ

フリクションボールペンは、2007年の発売以来、消せるボールペンとして、これまでの常識を覆す存在になりました。
発売当時は、黒というよりもグレーに近い黒で、多少頼りなさを感じていましたが、インクフローの良さに魅力を覚えて、旅先からの絵はがきには使えないものの、それを補ってなおあまりある書き心地は、旅の筆記具としても必需品になり、個人的なカスタマイズを加えたことで、ボクのニーズは補完され、より手放せない存在になりました。
さて、来年で20周年を迎えるフリクションシリーズ、どんな進化を見せてくれるのか、楽しみが尽きません。
この記事を書いた人

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文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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