前回につづいて、2022年10月に開催された「東京インターナショナルペンショーの歩き方・後編」をお届けします。
▼前編はこちらから
2022年の東京インターナショナルペンショーには、日本の大手・老舗メーカーをはじめ、地方都市に店舗を構えながら人気知名度とも全国区の小売店や、大手メーカーにはないユーザーに寄り添ったプロダクトを生み出すベンチャーメーカー、さらには今回のようなイベントでなければ入手できないオンラインショップなど約100社が出展、過去にはないバラエティー豊かなブースが会場に並びました。
Inks
ナガサワ文具センター 神戸インク物語
日本の万年筆インクブームの礎を築いた「神戸インク物語」を産んだナガサワ文具センターは神戸に本店を構える、地元に愛され続けている文具店です。
人気の「神戸インク物語」は、ご当地インクとしても先駆けで「六甲グリーン」などの定番シリーズや、豪華客船飛鳥Ⅱとコラボした限定インクをふくめると120色を越える国内有数のカラーバリエーションを誇ります、もちろんインクだけでなく、万年筆やシステム手帳などのナガサワ文具センターオリジナル文具も並びます。
Kens Bar オリジナルインク
万年筆インクの分野では第一人者、「万年筆インク案内人」として数々の著書でも知られる武田健さんのブースでは、彼のセンスが光るオリジナルインクと紙製品が並びます。
また、その人柄からも相まって購入目的だけでなくフレンドリーな会話も楽しめうえに、著書を持参すれば快くサインをしてくれる、ファンとの交流サロンとしても楽しめるブースです。
世界の筆記具ペンハウス
世界の筆記具ペンハウスも「東京インターナショナルペンショー」に参戦しました。
京都手書道具市で完売した新しいタイプのインク見本帳「INKTIONARY」をはじめ、オリジナル万年筆インク「コトバノイロ」の新色「嵐が丘」「夜明け前」「千羽鶴」「夜間飛行」4つが登場。イベントを除けば、リアル店舗ではお目にかかる機会がない世界の筆記具ペンハウスのプロダクトに出会える貴重な機会でもあります。
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雑誌「趣味の文具箱」
万年筆ファンにとっては毎号楽しみな専門雑誌「趣味の文具箱」が東京インターナショナルペンショーの舞台に立ちました。
本誌オリジナルの万年筆やシステム手帳などオンラインショップでも人気のアイテムと出会えることはもちろんですが、それに加えて雑誌「趣味の文具箱」を作る編集者からお話しを聞くことができるのも、なかなかあるチャンスではありません。
うまくいけば、編集の裏話が聞けるかもしれない、他とはひと味ちがうブースです。
Choudo
「ジブン手帳公式ガイドブック」や「小さいノートの活用術」など文具関連の書籍や雑誌の編集を手掛ける編集プロダクションの株式会社Choudoは、出版業界の中でも文房具をよく知る編集会社です。2021年には、はじめてのプロダクトである多機能下敷き「teriw」をクラウドファンディングで成功させるなど、出版の分野はもちろん、これまでの経験とユニークなアイデアから生み出される物作りにも目が離せないChoudoです。
小さな会社や個人の素敵なプロダクト
dünn
薄い革製品でミニマムなライフスタイルを求めるユーザーに人気なdunn(デュン)からは、新しいガラスペンコレクションボックスがお目見えです。
近年のガラスペンブームの中で、収納するためのツールがないという、ユーザーから意見をもとに完成したのが今回のコレクションケース。
大切なガラスペンを美しく収められるケースに注目が集まりました。
尚貴堂
学生時代から文房具が好きで起業、卓越したでデザインとアイデアで、ヒット標品を連発するクリエーターとして人気のブランドが尚貴堂です。
「はちみつインク」や「インクオープーナー」といった大手メーカーにはないユニークなプロダクトは多くの文房具ファンから支持されています。
東京インターナショナルペンショーの歩き方番外編
企業名だけではわからない出展者?
東京インターナショナルペンショーの公式サイトをくまなくチェックすれば、出展者の詳細を知ることができますが、あまりに馴染みのない出展者名の場合、事前リサーチでもスルーしがちで、会場に入ってから「えっ?ここが!」なんて気がつくケースもあります。
有限会社リオン
いま万年筆インクで1番熱いブランドといえば、カナダのフェイス・ホイール・プレス。
パッケージやインクボトルを見れば「あっ!」というインクファンは多いはず、東京インターナショナルペンショーでは、日本の代理店「有限会社リオン」の社名で出展、11月に発売される新色インクの先行展示や、店舗限定のオリジナルインクなどがいち早く並びました。
ちなみに、この美しいインクボトルは香水瓶のイメージを持っていましたが、実は懐中時計がモチーフだとか、こんな裏話を聞くことができるリオンのブースです。
株式会社インターアクト
2022年のISOT〔国際文具・紙製品展)で話題となった韓国のゼロジーテクの「ZERO G ball」をはじめ、台湾のブランドIWIなどを取り扱う代理店のインターアクトも社名で出展しています。
今回のブースでは、IWI製品の展示に加えて、取り扱いに際して仕入れたものの国内では発売に至らなかった、海外の掘り出し物文具が並ぶなど、じつは見逃せないブースでもありました。
まとめ
今回の取材に際して、こんな風に事前準備を行ったわけですが、それでも全てのブースを見て回る事はできませんでした。
お目当てのブースは抜かりないという人も、会場で思いがけない出会いや、あなたが知らない世界に触れることができる機会がこの会場にはあります。
準備はもちろんですが、新しい発見を求めるのなら時間の余裕(あと金銭的余裕も)はしっかり確保して会場に臨んでください。
余談、来年は取材とは別で東京インターナショナルペンショーに行きたい筆者です。
この記事を書いた人
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文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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