
山本紙業株式会社
東京インターナショナルペンショーをはじめ、文房具の展示会やイベントで、いつもたくさんのファンを集めているブースが、大阪・堺市で紙物を取り扱う「山本紙業株式会社」(以下山本紙業)です。
本来は、BtoBを主軸とする会社ですが、近年はオリジナル文具や紙製品を展開し、文具イベントは欠かせない存在です。
これまでにも、本サイトで山本紙業のプロダクトを紹介してきましたが、今回は、昨年(2025年)の東京インターナショナルペンショーの会場で見つけた、ユニークで実用的な新製品「バレットジョッター」をお届けします。
バレットジョッタースターターキット

はじめに購入するのは、このスターターキット。
中身は「バレットジョッター」(カバー)本体と2種類のBALLET PAPER(リフィル)がセットになっていて、リフィル(メモパッド)2冊を同時に持ち歩けるツールです。
①カバー本体

「バレットジョッター」カバーには「ギャバジン」と呼ばれている、高密度に織り込まれた綾繊維と、上品な光沢とハリ感が特徴の加工法をモチーフにしています。カバー自体は、ギャバジンではありませんが、価格以上の高級感とブリティッシュな雰囲気を醸し出しています。
②BALLET PAPER(リフィル)

今回の発売に合わせて、全部で6種類のリフィルが用意されました。
- No1.三善トモエリバーS
- No2.カノープス
- No3.ひつじ雲便箋(スターターキットに付属)
- No4.ソリスト(スターターキットに付属)
- No5.スライトホワイト
- No6.メレンゲ
それぞれ、筆記時の筆感や紙自体の厚みも異なり、書き味の違いも楽しめます。
山本紙業の山本泰三社長にお話しを伺うと、今回の紙のセレクトには、「万年筆で書いた時に抜けがなく、滲みにくい、そしてインクが乾くスピードなどを考慮して、選び抜いた6種類の用紙を使用しています。ぜひお気に入りの万年筆でこの書き心地も楽しんで欲しい」と、紙のプロフェッショナルならではコメントをいただきました。
試しに、字幅の異なる万年筆で筆記してみましたが、どれも滲みのない書き心地と同時に、それぞれ異なる紙の個性を楽しめました。
下敷き

スターターキットには、横罫と方眼罫の下敷きが付属して、下敷きとして使えば筆記の際のガイドラインになるので、ボクのように「無地の紙にバランス良く書くのは苦手」というひとにも安心がもれなく付いてきます。
システム手帳サイズのリフィル

メモパッドのスタイルなので、ぱっと見?気づきにくいかもしれませんが、じつはこのサイズ、市販されているシステム手帳のバイブルサイズ規格に準じています。
書き終えた用紙に穴を開ければ、システム手帳に綴じ込むことができる仕様になっていて、そこに「ジョッター」というネーミングの意味がじわっと効いてきます。
「思考の整理学」と情報カード

最近ではあまり耳にする機会は減ってしまいましたが「情報カード」という文房具があります。
カード1枚に、日付やタイトル、内容を書き込んで、カード単位で情報を整理するためのツールです。
「情報カード」の活用法は、梅棹忠夫の著書「知的生産の技術」で紹介されて、その存在が大きく知れ渡りました。初版は1983年と40年以上も前に発刊された書籍ですが、いまでも書店の店頭で平積みされているロングセラーの書籍です。
本誌の中では、京大式カード(B6)という、少し大きなカードを梅棹氏は愛用されています。
情報カードは文献カードともいい、レポートや論文執筆のために、参照文献の書誌情報や内容の要約などを1枚のカードに書き記したといいます。
京大式カードはB6サイズで128mm×182mm、「バレットジョッター」はシステム手帳バイブルサイズと同じ95mm×170mmと、京大式カードに近い大きさで、梅棹氏が活用したのとほぼ同じ感覚で使えそうです。

話が逸れましたが、情報カードのメリットは、「知的生産の技術」でも紹介されているとおり、並び替えや取捨選択が容易で、整理・管理が便利な点にあります。
「バレットジョッター」もメモを記したあと、必要に応じてシステム手帳にファイリングして保管、使用済みともなれば“くしゃっ”としてポイできる、アナログツールならではのメリットがあり、現代の情報カードと呼べるかもしれません。
旅に使えるバレットジョッター

2026年、お正月休みのほとんどを自宅でお仕事をしていたボクですが、成人の日を過ぎたタイミングで2日ほどお休みが取れたので、城崎温泉の旅行に、「バレットジョッター」を実践投入してみました。
ご存知の通り城崎温泉は、アンティークな街並みに大小6つの外湯があり、この共同浴場を巡るのが楽しい人気の温泉地です。

ところが、6つの外湯はそれぞれ営業時間や定休日が異なり、予備知識無しで出かけて、すべての外湯を巡れなかった失敗を過去に経験しました。
土曜日・日曜日に定休日を設定している施設はありませんが、15:00から営業という外湯もあります。1泊2日の旅行で2日目の入ろうとしたら、帰路の列車の時間に間に合わないというケースもあって要注意。そこで「バレットジョッター」に各湯の営業時間と定休日を書き出し、それを元に外湯巡り計画を立てました。

最終的にメモは処分して、計画表を旅行用のシステム手帳にファイリングして、準備は万端、外湯巡りを完遂!するはずでした。
ところが、旅行というのは常にハプニングと隣合わせで、6つの外湯のうちひとつが、急遽工事が入って休館になってしまい、完全制覇とはなりませんでしたが、この計画表を「旅の想い出ノート」に残して置けば、次回城崎温泉へ行くときに、今回立ち寄れなかった外湯の記録が残っているので、優先順位が自ずとから、決まります。
まさに、記憶よりも記録です。
まとめ

これまで、長い歴史を重ねきた「情報カード」を、初めて見開きで使えるツールに進化させた「バレットジョッター」は、紙の書き心地を楽しむと同時に書くコトの肯定感を味わえるツールとして、新しいノート体験を私たちに教えてくれます。
従来の「情報カード」のように使うのか?新しいスタイルのノートとして使うのか?
それは、ユーザーの感性に委ねられますが、シンプルなスタイルだからこそ、想像力を重ね合わせることで、新しい可能性を生み出すツールです。
この記事を書いた人

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文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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