前回(第四房「松風」)と同じ導入です。
まだまだ続くよリバイバル。
だって「犬王」「ククルス・ドアンの島」、
「シン・ウルトラマン」が公開中だもの。
リバイバル作品が多くなるのは、
かつて若かった世代が制作や消費を担当する時。
あるいは若い世代を振り返り、悔恨を残すとき。
ファースト15話「ククルス・ドアンの島」リバイバルと聞いた時、
「え、なんで?」
と
「さもありなん」という二つの気持ちが一つになって
「超人バロム1」的歌詞が脳内復活する始末。
アニメならず特撮まで滔々と話が及びそうなので早々にインクに戻ります。
今回のインクの色をはじめてみたときには
「グフ色!! ラル様!!!」と超個人的に脳が覚醒しました。
(嗚呼、戻らず…)
「機動戦士ガンダム」再放送時、初恋相手と話すきっかけを作るべく
放送視聴とガンプラ(旧キット当時販売額300円)に手を出し、
めでたく交際に至るという「計画どおり」夜神月的なニヤリ(「DEATH NOTE」)
でいたのもつかの間、
アニメとガンプラに嵌り過ぎて、相手をドン引きさせるという失策。
ミイラ取りがミイラに。
イッちゃった目で滔々とアニメを語る浅草氏(「映像研には手を出すな!」)
のようなわたくしと、興味薄で軽くスルーする金森氏(「映像研」)のような彼。
購入アニメ誌も「月刊OUT」(みのり書房)というチョイスが益々拍車をかけ候。
かくして人生はうまくいかぬものよ。
と、古から多くの先達も同じことを思ったであろう時の流れの一粒として、
抜けるような空に一抹のはかなさを感じる「夏天」を
生涯現役小学4年男児の朝比奈斎(初ガンプラ作成は改良強化新型グフ1/144要接着塗装・旧キット)が
色見本としてご紹介します。
どうぞよしなに。
人生とは。
かの平家を滅亡させた源義経、
その後の奥州藤原家の栄枯盛衰に思いを馳せ
憧れの地・平泉にて落涙する松尾芭蕉をふまえ、
世界遺産毛越寺の英訳石碑をもとに
かの有名な句をGペンで「夏天」にて。
青空を仰ぐ今と、古の人々の残像を思うと
変わらぬ自然のなかに「人生のはかなさ」を感じ取ります。
文字を書く時には、英字でも日本語でも
「ある一定の角度と線の法則」を設定します。
同じ文字が並ぶときに、共通する部分と差をつけるところを意識しつつ。
中原中也「夏は青い空に……」冒頭のみを。
変わらぬ自然と自分の境遇の対比における人生観が
「夏天」の深みある青の色と呼応します。
是非最後の連まで御一読いただけますと幸いです。
FDM(ふでDEまんねん)は、
特に、はらい部分が非常に難しいこと、その打開策として 「インクフロー多めに、ペン先接地角度を都度変える」ことを
前回おすすめしました。
※運筆ではペン先は紙につけたままですが、わかりやすいように分解しています。
※インクが濃くなっている部分が「ペン先を紙につけたまま接地角度を変えている部分」です。
※肉付け塗り無しの一発書きです。
毛先や芯先のコントロール重視ですが
しならない金属のペン先では、接地角度と面積が肝要となります。
と、するならば、禁じ手とされる「軸を動かす」。
この件は機会があれば、動画にてご紹介いたしたく候
Gペン本文…立川ピン製作所・日光Gペン特上品
万年筆本文…セーラー万年筆・ふでDEまんねんプロフィット55°
b7バルキー
落ち着いた青の「夏天」で、
今がちょうど見ごろの青いヒマラヤケシを他の色のケシと合わせて。
いつものごとく、適当です。
用紙を傾けてインクを流し自然なぼかしを。
茎や葉を万年筆で描きアウトラインを水筆でのばします。
「夏天」の落ち着いた青は、わくわくする夏空の色に、
それぞれの人生観を馳せると、
人の営み、日常のなかの悲しみも浮かび上がります。
人が人として生きるうえで、
著名な人物も無名の草民も誰でも持つ葛藤や悩みを
太古から変わらぬ大空の色や自然が慰めてきたでしょう。
そして、これからさらに文明が発展しても、
これは変わらず続くことでしょう。
箱もインク名も世界観も美しい、自然の色を体現する「夏天」。
インクの様々な楽しみ方の入口となれば、幸いです。
蝉の音ひびく夏休みは、プラモ組立三昧期。
今はカラーパーツと嵌め込み型で、接着も塗装もせずに組みあがる良い時代。
水陸両用ズゴック・シャア専用ズゴック・アッガイ・ゾック・設定のみMSアッグ・
キュベレイ・セブンイレブン仕様RX-78-2・
アオシマ製サンダーバード2号・イマイ製サンダーバード2号・超特大サンダーバード2号…
と、並べてニヤリとするなか、
「アオシマ超特大サンダーバード2号が2022年に再販だと…!?」
と一人おおはしゃぎの朝比奈斎(初版購入済み)でした。
「超特大のうえに走行可能バージョンか…わくわく」
↑
箱もあけてないのとか同じプラモとか同じ色のインクとかどうするわけ?!by実家母
「…同じじゃないんだ、母さん!(アムロ口調)」と古谷徹脳内音声にて
夏の元気なご挨拶に替えさせていただきたく候
ではまた。
<今回のメインインク>
・Pent〈ペント〉 ボトルインク 彩時記 夏~summer~ 夏天(かてん)
この記事を書いた人
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憧れの高級文具から教室に忘れ去られた名もなき消しゴムに至るまですべての文具を偏愛する者。
文字は下書き無し・肉付け塗り無しの一発書き。
文具・画材・多肉愛好家として雑貨店「SHOP511」にて多肉植物の育成販売と文具雑貨諸事の販売に携わる。好きな言葉は「玉石混淆」
Twitter:@asahinaitsuku
Instagram:@asahinaitsuku
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