酸ヶ湯温泉でワーケション<後編>
10年以上も前、秘湯に憧れて訪れた酸ヶ湯温泉は、携帯電話の電波も届きにくい陸の孤島のような場所でした。そんな酸ヶ湯温泉旅館が2019年に館内を改装して、Wifiの設備や新しく御鷹々々サロンがオープン、秘湯の宿の佇まいはそのままに、ワーケーションができる環境も整いました。
今回は、そんな酸ヶ湯温泉旅館で、ワーケーションに活躍してくれる便利な文房具を紹介します。
ノートブック
ペーパーレスが進んで、紙は使わないという職場も増えてますが、ワーケーションのような環境ではノートやメモなどの紙類は欠かすことができない大切な文房具です。
最強スリムなバインダーノート/デザインフィル「PlotterレザーバインダーA5」
バインダー式リングノート(以下リングノート)は、アイデアやメモを書いたあとに、ページを自由に差し替えて編集できるメリットがあります。
「PlotterレザーバインダーA5」をはじめとするPlotterシリーズはリング径が11mmと、リングノートの中ではとてもスリムなモデルで、スケジュールをパソコンやスマートフォンで管理しているユーザーなら、必要最小限の用紙だけを綴じておくことで、自分専用のデスクがないワーケーションやアドレスフリーの環境で軽量かつスマートな持ち運びができます。
オールインワンで持ち運べる小さな道具箱/ASHFORD「リフィルパッドポーチBIBLE」
株式会社アシュフォードの「リフィルパッドポーチBIBLE」は、バイブルサイズのバインダーとポーチを一体化した、ミニマルな行動をしたい人にピッタリのシステム手帳です。
ラインナップが豊富なバイブルサイズのリフィルが使える上に、独立したリングパッド(バインダー部分)はポーチから取り外して使用することができ、内側のファスナー付きポケットはペンケースにもなります。手帳と筆記具、その他小物類をひとまとめにできるオールインワンの小さな道具箱として活用できます。
旅に出かけたくなるロルバーン/デルフォニクス「旅するロルバーン」
文房具と旅が大好きなフリーアナウンサー堤信子さんが開発に携わった「旅するロルバーン」には、彼女の取材やロケで培ったアイデアや工夫が詰まっています。
本体は、ページの差し替えが可能なロルバーンフレキシブルをベースに、ページそのものがポケット状になった「方眼ポケット」や「ジャバラ折りリフィル」「無地シート」が1冊にまとめられて、旅行中に手に入れたパンフレットやショップカードなど、旅の記念や想い出をその場で瞬間整理することができるロルバーンです。
筆記具
筆記具はノートに次いで、ごく当たり前の文房具ですが、使い手の個性やこだわりが顕著に現れるカテゴリです。
これ1本で仕事は完結できる!?/三菱鉛筆「ジェットストリーム多機能ペン4&1」
ジェットストリームは、油性ボールペンのなかでも滑らかな書き心地が特徴の人気モデルです。多機能筆記具として、4色のボールペンと0.5mmシャープペンシルの機能5本分をこのサイズに落とし込み、持ち歩く筆記具を少なくすることができます。
だれもが気付かないうちに当たり前のようにつかっているボールペンですが、オーソドックスだからこその安心感と信頼を備えた 「ジェットストリーム多機能ペン4&1」はビジネスにもプライベートに活躍してくる1本です。
けしカスを出さない優等生/パイロットコーポレーション「フリクションボール」
消すことができるボールペンとして、日本だけでなく世界中で人気を集める筆記具が「フリクションボール」です。
鉛筆で筆記した文字は消しゴムで消すことができますが、その際にどうしても消しカスが出てしまいます。一方「フリクションボール」では摩擦熱を応用して文字(インク)を透明にするため、消しカスが出ません。ワーケーションをはじめ、図書館やカフェといった公共・共有スペースで役立つ筆記具の優等生です。
いま最高にクールでカッコイイ鉛筆/BLACKWING「Blackwing鉛筆」
鉛筆と消しゴムがひとつになったモデルは、これまでにも発売されてきましたが「Blackwing」には、幅の広い消しゴムが一体化されていて、書き間違ったときに実に消しやすいというメリットが備わっています。ペンケースに消しゴムを入れるスペースがないとか、あるいは消しゴムの出番が少ないユーザー、さらにはとにかくカッコイイ鉛筆を持ち歩きたい人に今1番クールな鉛筆が「Blackwing」です。
また、別売の「Blackwing One-Step Sharpener」(鉛筆削り器)はシックな黒のデザインと、芯先が見やすい湾曲した削りを再現したシャープナーで、据え置き型の鉛筆削りのような削り心地をこのサイズで実現しています。
消しカス問題は、それぞれが解決するとして、書き心地がクセになる「Blackwing」は、ワーケーションをより特別な時間にしてくれる鉛筆です。
定番万年筆の魅力と実力/プラチナ万年筆「#3776センチュリー」
万年筆は大好きだけれど、旅行中にインクが切れたらどうしよう?という不安を抱える人にはカートリッジ式のプラチナ万年筆「#3776センチュリー」がオススメです。
もし予備のカートリッジインクを忘れてきたとしても、街の文具店でも入手が可能なうえに、ペン先が乾きにくく密閉性の高いスリップシール機構を採用していて、旅客機や列車の移動中にインクが漏れる心配が少ないというメリットを持つ「#3776センチュリー」はおでかけ用万年筆として最適で、ボクの旅行には欠かせない相棒です。
大容量×大容量=最強旅万年筆/TWSBI「VAC700R」
カートリッジインクにはない、お気に入りの万年筆インクを持っていきたい。
という、逆説的な発想で万年筆を選ぶのなら台湾のブランドTWSBIがオススメです。中でもプランジャー式を採用した「TWSBI VAC700R」はインク容量2.2mlの大容量に加えて、20mlのインクが入る小型軽量のVACシリーズ専用「インクボトル20A」と組み合わせれば、長期間のワーケーションだけなく、世界一周船の旅でも大丈夫な最強コンビです。
世界初!金属製のつけペン/有限会社シオン「DRILLOGドリログ」
ここ数年、ガラスペンブームが起きている文具業界。オシャレで美しいガラスペンを持ち歩きたいというユーザーの声を聞く機会が増えましたが、繊細なガラスペンを持ち歩くのはちょっと勇気が必要です。
そんな悩みに応えるかのように登場したのが、精密機器を製造するメーカー有限会社シオンの金属つけペン「DRILLOG(ドリログ)」です。
全国にある文具店がオリジナルのご当地インクを販売するようになり、出かけた先で購入したインクをすぐに使ってみたいときに「ドリログ」があれば、あたかもそこが自分の書斎のように、インクライフを楽しめます。
今回は、青森県弘前市にある老舗文具店平山萬年堂で購入した「弘前煉瓦レッド」を、酸ヶ湯温泉旅館で友人に送る絵はがきに使うことができました。
ペンケース
大切な筆記具を持ち運ぶとき、機能や素材にもこだわりをもって選びたいのがペンケースです。
持ち運べるペンスタンド/コクヨ株式会社「ネオクリッツ」
コクヨ株式会社の「ネオクリッツ」は、ペンケースがそのままペンスタンドになる筆入れです。
カフェや図書館といった限られたデスクスペースの中で、場所を占有することなく筆記具が見易く取り出し易いといったメリットがある「ネオクリッツ」は、過去の酸ヶ湯温泉旅館ワーケーションにも活躍してくれた、実績証明済みのペンケースです。
革の魅力が伝わる大人のペンケース/デザインフィル「ピアスペンケース」
消しゴムや鉛筆削りに定規といった小道具の出番が多いユーザーには、株式会社デザインフィルのKNOXブランド「ピアスペンケース」がオススメです。
バッファローカーフ(水牛革)を贅沢に使った「ピアスペンケース」は使い込むほどに味わいが深くなる、御鷹々々サロンのような上質な空間で使うのに相応しいペンケースです。
カジュアルさと便利な機能を備えたペンケース/ラダイト「デニムベンディケース」
カジュアルなスタイルがよく似合う株式会社ラダイトの「デニムベンディケース」は、二つ折り構造にファスナーがついた2気室の収納スペースと、それぞれ独立したペンポケットを5つ備えたモデルです。
愛用の高級筆記具を、他の筆記具と干渉しないように持ち運びたいとき、「デニムベンディケース」なら日常使いのボールペンやシャープペンシルに消しゴムなどはファスナー付きのスペースに入れて、万年筆などの高級筆記具は独立したペンポケットに収納することで、移動時間の長い出張や旅行でも安心安全な持ち運びを可能にしてくれます。
ワーケーションにあると便利なその他の文房具
下敷きの魅力を再発見!/調度株式会社「Teriw THE MAT」
酸ヶ湯温泉旅館の御鷹々々サロンでは、安らぎと落ち着きを感じさせる天然木のテーブルが使われていて、表面に自然の凹凸があるためノートの筆記や、手紙を書く時に下敷きがあると便利です。
大手文具メーカーではありませんが、クラウドファンディングで大成功を収めた調度株式会社の下敷き「Teriw THE MAT」は、大人にこそ使って欲しい利便性とかっこよさを持っています。
裏表でハードとソフトの2つ個性を持ち、ボールペンや鉛筆など筆記具によって使い分けができる仕様になっていて、下敷きの良さを改めて実感することができます。
カワイイだけじゃないマスキングテープの実力!/株式会社コクヨ「ボビン」
マスキングテープはデザインが豊富で、ノートなどを美しくデコレーションするのに、とても便利で「文具女子」と呼ばれる人たちのマストアイテムといっていいでしょう。
そんなオシャレなマスキングテープも、ワーケーション文具として立派に活躍してくれるツールになります。
付箋や、セロファンテープの代用としても活躍してくれますが、移動中の食事で出たおにぎりやサンドイッチのビニール袋などのゴミを小さくまとめるときにも便利で、カワイイだけの女子文具では終わりません。
また、コクヨ株式会社から発売されている「Bobinボビン」は市販のマスキングテープを小巻にするためのツールで、これを使えば複数本のマスキングテープを省スペースで持ち運ぶことも可能になり、付属のカッター付きケースと併用することで、よりスマートな使い方も楽しめます。
ワーケーション文具のまとめ
出張と旅行を合わせた、ワーケーションという新しい働き方のスタイルに似合う文房具を選ぶに際して、軽量・コンパクト・多機能といった点を優先させました。
記事をまとめるにあたり、これまでにも旅文具として愛用していたものから、新しい文房具もセレクトに加えましたが、文具の海は広大すぎて検証をしながらも、これ以外にも「ワーケーション文具として便利かも」と思うものもありました。
今回の記事で、ワーケーションとまではいかなくとも、出張や旅行など、これは使ってみたいと感じてもらえる文房具がひとつでもあれば幸いです。
今回の記事にあたり、撮影協力をいただいた酸ヶ湯温泉旅館様に心から感謝いたします。
この記事を書いた人
-
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
最新の投稿
- 2024年12月11日文具、徒然旅日記2024年ベストバイ文具
- 2024年11月14日文具、徒然旅日記東京インターナショナルペンショー
- 2024年10月10日文具、徒然旅日記いつかは作りたい旅ノートのためのエフェメラの集め方
- 2024年9月12日文具、徒然旅日記大容量インクの万年筆、TWSBI VAC700Rの魅力