世界の筆記具ペンハウス
文具好きの小部屋
『文具好きの小部屋』は文具を愛してやまない人々が集まるペンハウスの一室。 整然と並んだ本棚の前には、古い書斎机と座り心地の良い長いソファ。 さてさて、今日も誰かが熱く文具を語り始めます。

10年目のモレスキン

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モレスキン

ライフハックという言葉が一般的に知られ市民権を得た2005年頃、大手文具専門店や書店の店頭で、オーソドックスという言葉を絵に描いたような手帳を見つけた。黒く分厚いカバーに覆われゴムバンドで本体を閉じる事ができ、手帳という言葉がこれほど似合うものは他にはなく、それでいて他のどの手帳に似ていないのがこのMOLESKINEだった。

1997年ミラノにある出版社がかつての伝説のノートブックの復活を願うユーザーの声に応え、当時のデザインを踏まえ復刻発売されたが現在のモレスキンだ。
作家ブルースチャトウィンやアーネスト・ヘミングウェイが愛用したと伝えられ、どこかアカデミックな佇まいを感じさせるのはそんな背景があるからもしれない。

そんなMOLESKINEはしばしば映画の中で見事なバイプレイヤーとして物語を支える重要な役を演じている。
ある映画で主人公が開いた手帳にはぎっしりと文字や記号で埋め尽くされていたシーンを見て「なんてカッコイイのだろう!」と例えようのない興奮を覚え、その後それがMOLESKINEだと知った。
はじめてページを開いた時は緊張のあまり、最初の1文字を書くのに何日もの時間を費やした事をいまでも覚えている。

モレスキン

1冊目のMOLESKINEを手にしてから10年の歳月が流れて、当時憧れたスクリーンの中の主人公のようにカッコ良く手帳を使いこなせてはいないが、いまではすっかり生活の一部となった。
予定や日々の記録を書き込んだページの中には壮大な物語も甘いロマンスも存在しないが、日常を生きているごく普通の人間のごく簡単な言葉が重なり合い今日に至っている。

モレスキン

古いページの中にある「〇〇年〇月〇日、〇〇さんと渋谷駅で偶然会った」と書かれた1行のフレーズは、一瞬で時間を遡り当時の事を鮮明に思い出すことができる記憶のトリガーになっている。
そんな気分を楽しむ時には、黒いクラッシックなMOLESKINEがよく似合う。

近年、MOLESKINEには新しいデザインやコンセプトモデルのノートブックが数多く登場している、パステルカラーはよりカジュアルなシーンに、プロフェッショナルモデルはより高度なビジネスシーンで活躍、さらにキャラクターとのコラボレーションモデルや小説をイメージした限定モデルは物語の世界観を詰め込んだノートブックとしてこれまでのファンだけでなく新しいユーザーを獲得している。

選択肢が広くなった今だからこそ、多くの文豪やアーチストに支持された黒い表紙のクラッシックなMOLESKINEで大人のライフスタイルとして楽しんで欲しい、10年後あなただけの物語がきっとそこに描かれているはずだから。

<関連リンク>
モレスキン クラシック ソフトカバー ポケットサイズ
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この記事を書いた人

出雲 義和
出雲 義和
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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