春、新入学生や新社会人になる人たちに向けた筆記具を紹介する記事を、あちこちで見かける季節になりました。
また、2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことから、新大学生も今年から立派な「大人」の仲間入りをする訳です。
そんなフレッシャーズに、長い人生に寄り添ってくれる「大人」の万年筆を手にして欲しいという視点から、今回はいきなり高額な万年筆もふくめて厳選したセレクトをお届けします。
なぜ?いきなり一生モノをオススメするのか。
以前、とあるペンドクターの方から、かなり高価な万年筆を薦めていただいた時に「手頃な価格の万年筆ばかりを使っていると、つい新しいモノや話題のモノばかりに手を広げてしまい、必要以上に本数だけが増えて、結局使わなくなってしまう。しかし、本当にいい万年筆を1本持っていれば、それよりも下位のモノを欲しくなくなる」と教えていただきました。
その教えをしっかり守っているか否かは、自信がありませんが、万年筆に興味を持ち始めた頃とくらべても、本数はそう増えてはいない…気がしています。
モンブラン 万年筆 マイスターシュテュック 149
万年筆の王道にして頂点と誰もが認め、いつかは手にしたい憧れの的の存在である「マイスターシュテュック 149」は、特別な樹脂で作られた高級感溢れる万年筆で、太い軸は握りやすさと安定した書き心地を提供してくれます。
これまでに、多くの文豪が傑作を世に送りだした万年筆として有名なエピソードを持ち、どこへ連れて行ってもいち目おかれる存在は、使い手に自信を与えてくれる、最高であり至高の1本です。
パーカー 万年筆 ソネット
世界でもっとも愛される万年筆の異名を持つパーカーも人気と伝統を持つブランドです。
1993年に誕生した「ソネットラックブラック」はパーカーを代表する1本で、オーソドックスなブラックのボディに華やかなゴールドのコンビネーションは、飽きのこない大人の万年筆として長く使い続ける事ができます。
セーラー万年筆 プロフィット21
初心者から、なんとなくカリカリした書き心地の筆記具と思われがちな万年筆のイメージを根底から覆すのが、このセーラー万年筆「プロフィット21」です。
その名に冠した21はペン先に含まれる金の配合量を意味して数字が大きくなるほど、金の純度が高くなり、国内外メーカーを探してみても21金のペン先を持つ万年筆はなかなかみつからないうえに、この価格で購入できるのも大きな魅力です。
筆圧に自信がないひとや、軽く羽のような筆記に憧れるひとには、ぜひ使ってほしい万年筆の醍醐味を体感できる1本です。
パイロット 万年筆 カスタム743
世界でも数少ない、パーツの供給から組立まで全てオートクチュールのブランドとして知られる、パイロットの万年筆の中からオススメしたいのが「カスタム743」です。
初心者には「カスタム74」をオススメするケースが多いのですが、あえてその上位モデルである「カスタム743」は全てにおいて「カスタム74」を越えた良さを有しています。
ペン先には、大型のニブを採用して、長時間の筆記でも疲れにくい太い軸で仕立てたこのモデルは、安定した書き心地を約束してくれる、一生モノに相応しいスペックを備えている「カスタム743」です。
LAMY 万年筆 ステュディオ
LAMYブランドの中ではまだ新鮮に感じる「LAMY ステュディオ」も、発売以降カラーバリエーションが登場するほどの定番モデルに成長しました。
クラシックなデザインの万年筆では満足できないフレッシャーズには、洗練されたドイツのスピリッツがカタチになったLAMYがオススメです。
シュッとした無駄のないシルエットにひときわ目を引くプロペラ型のクリップは、筆記具を装飾品へ昇華させるほどの存在感を放つ万年筆が「LAMY ステュディオ」です。
TWSBI 万年筆 ダイヤモンド
まだ新しいブランドというイメージが強い台湾のブランドTWSBIは、海外の大手万年筆メーカーのOMEを長年にわたり手掛けきた技術を持ち、日本でもここ数年で専門店売り場の一角を占める実力と人気を兼ね備える筆記具のメーカーです。
スティールペン先、直接インク吸入式、スケルトンボディを基本としたプロダクトで、いま人気のカラーインクを楽しむインクファンからも、支持を集めるTWSBIは1万円台からフラッグシップモデルが購入できます。
中でも、ダイヤモンドカットを施した「ダイヤモンドALシリーズ」は手の中でキラキラと輝く美しさとコストパフォーマンスに優れて、金ペンとはまた異なる書き味も魅力な1本です。
今回は、ちょっと背伸びをする万年筆をオススメしましたが、今はフレッシャーズと呼ばれる人たちも5年後、10年後には、立派な社会人になっているはず、きっとそのときには、今よりもよく似合う1本になっているでしょう。
ファッションとは異なり流行に左右されない定番の万年筆には、そういった魅力を備えています。
<この記事に登場する万年筆>
・モンブラン 万年筆 マイスターシュテュック 149 ブラック
・パーカー 万年筆 ソネット
・セーラー万年筆 万年筆 プロフィット21
・パイロット 万年筆 カスタム743
・ラミー 万年筆 ステュディオ
・TWSBI(ツイスビー) 万年筆 ダイヤモンド
この記事を書いた人
-
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
最新の投稿
- 2024年11月14日文具、徒然旅日記東京インターナショナルペンショー
- 2024年10月10日文具、徒然旅日記いつかは作りたい旅ノートのためのエフェメラの集め方
- 2024年9月12日文具、徒然旅日記大容量インクの万年筆、TWSBI VAC700Rの魅力
- 2024年8月21日文具、徒然旅日記東京文具の展示会レポート