10年をひとつの区切りにして考えてみると、2013年にパイロットコーポレーションから1本1000円(消費税別)の万年筆KAKUNO(カクノ)が発売されてから、「低年齢層の万年筆ユーザーが増えました」と、そんな話を販売店で聞くようになりましたが、本格派万年筆の価格は高く、まだまだ高級筆記具と捉えている人達の方が多いのも現実です。
万年筆をこよなく愛し、また文房具の業界でお仕事をしている身としては、高級筆記具という固定観念が取り払らわれ、ボールペンや鉛筆のようにフレンドリーな筆記具になって欲しいと、常日頃から願っています。
大西製作所万年筆コルト
ハンドメイドの筆記具ブランドとして、万年筆ファンから支持を集めている東大阪の大西製作所から発売されている万年筆「コルト」は、天然石のような上品な美しさを備え、手のひらにすっぽりと収まるスマートでショートサイズのボディは携帯性にも優れて、「書く」という行為が楽しくなる万年筆です。
フォーマルな視線で見てみると、革製のノートブックと組み合わせても遜色のない質感は、高級志向のユーザーを満足させてくれます。
その佇まいは、往年の人気万年筆コンウエイスチュアートの「ピスタチオ」を彷彿させる美しさを備え、キャップを開いたその場所を自身の書斎に変えてしまうような魅力があります。
また、カフェでノートを開いくといった日常のシーンにもよく似合い、洗いざらしのジーンズのポケットから取り出してメモをとるようなカジュアルな一面も持ち合わせています。
携帯性に優れた万年筆「コルト」は、ドイツシュミット社のステンレススティールニブを採用、鉄ペンらしくない柔らかな筆感は、ボールペンとは違う万年筆らしい書き心地を、いつでもどこでも楽しむことができて、筆記時にキャップを尻軸につなぐ事で、ペン全体のバランスを調整することもできます。
さらに、カートリッジはヨーロッパタイプミニに対応していて、ちょっとした文房具店でも入手が可能な点も、気軽に持ち歩けるポケッタブルな万年筆として大きなアドバンテージです。
万年筆「コルト」といっしょに出かけよう!
大西製作所の万年筆「コルト」は、フォーマルとカジュアルさの両方を合わせ持った万年筆として、往年のファンに懐かしく、若い世代には新鮮な筆記具として目に映る、そんな相反する矛盾がことさら自然に感じてしまう1本といえます。
そんな「コルト」をペンケースに入れて大切に持ち歩くのもよし、小銭入れと一緒にジーンズのポケットに入れてもよし、さてきょうはどちらのスタイルでお出かけしますか?
<この記事に登場する万年筆>
Pent〈ペント〉 by 大西製作所 特別生産品 数量限定 万年筆 コルト ジェムストーン
この記事を書いた人
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文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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