世界の筆記具ペンハウス

「書くことの魅力展」で見つけた、書くことが楽しくなる文房具と雑貨

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スマートフォンやパソコンの普及で、手を使って”書く”や”描く”機会が減ったと感じている人は少なくないようですが、その反面「書くコトが楽しくてしかたない!」という人も実は増えているんじゃないかと感じています。
その一例として、「文房具」を取り上げるテレビ番組や雑誌の特集をよく見かけるようになりました。また、大手百貨店でも文房具の催事が開催され、学童文具や事務用品として捉えられていた文房具が、より進化した道具、さらには使って楽しい道具として認識され始めた結果ではないかと思います。
そんな話題の、文房具・雑貨を集めた催事「書くことの魅力展」が、2025年5月に新宿の百貨店で開催されました。
今回は「書くことの魅力展」で出会った、書くことや自分の書斎(文具部屋)が楽しくなる、個性的で魅力ある文房具と雑貨を紹介します。

願いが叶う魔法のペン

フリーアナウンサーとしてテレビやラジオのご出演をはじめ、現在は大学で講師としても活躍されている堤信子さんは文房具の業界では、大の”文房具大好き”で知られています。そんな、堤信子さんが今回のイベントに自身がプロデュースしたオリジナル万年筆「願いが叶う魔法のペン」を発表しました。

 

「願いが叶う魔法のペン」と名付けられた万年筆は、堤信子さんがフランスへ旅行した際に、パリの市議事堂の中にあるショップでトリコロールカラーのボールペンを見つけて、このボールペンで、叶えたいことを書き綴ったら、次々とその願い事が実現したことから、トリコロールカラーに不思議な力を感じるようになり、今回のイベントで、主催のKA-KU大阪とセーラー万年筆株式会社の協力を得てこの万年筆が誕生しました。
フランス国旗の白・青・赤の3色は、フランス革命で市民がシンボルとした、自由・平和・友愛を意味していますが、この万年筆にはそんな精神や願いが宿っているようです。

ペン先に刻印されたエッフェル塔

大手文具店の店頭を覗くと、単色やバイカラー(2色)の万年筆が多い中、トリコロールカラーは意外に少なく、フランス国旗をモチーフにしたこの万年筆はとっても印象的で、目にも新鮮に映ります。また14金を採用したニブには、エッフェル塔をデザインしたオリジナル刻印もされていて、さらに特別な1本と呼べる存在感を醸し出しています。
また、筆記の際に軸の後ろにキャップをつけて使うと、まるでシャンゼリゼ通りのカフェで(実際に行った事はないのですが)手紙を書いているような気分も楽しめる万年筆です。

願いが叶う魔法のインク

 

こちらのインクは、堤信子さんがテレビや大学で活躍している姿を思い浮かべながら、KA-KU大阪のスタッフ橋本さんが配色しました。
橋本さんは、昨年2024年の国際文具・紙製品展ISOTにおいてデザイン部門で優秀賞を受賞した『おうちで混ぜて楽しめる「8月の夜」インクキット』(INK MAZERU)の考案者で、彼女のセンスは誰もが認めるところ、万年筆と合わせて夢を叶えることにひと役買ってくれるインクです。

堤信子さんからのメッセージ

堤信子さんに今回の記事を書くにあたり、原稿のチェックをお願いしたところ、旅行先のイギリスからこんなメッセージが届きました。

今、ロンドンのカフェにいます。
この万年筆とインクで綴っていたら、
お店のスタッフにお洒落なペンだと褒められました!
「フランスのもの?」と聞かれたので、
日本の職人さんが丁寧に手がけた限定品だと答えたら、
「日本のものは上質だから私も好き!」と!
願いが叶う魔法のペンは、海外でもオーラを放ってくれて嬉しい限り。
この万年筆が貴方にたくさんのハッピーを届けてくれますように!

堤信子

書くコトが楽しくなる文具雑貨

この他にも、会場では25社に及ぶさまざまなブランドが出展していました、全部を紹介するわけにはいきませんが、その中から気になった文具雑貨を選んでみました。

always smile

▼クリック(タップ)で拡大します。

 

植物をモチーフにしたスタンプをはじめ、アンチーク雑貨や趣のあるフォントを、繊細なまでに再現したスタンプを数多く取り揃え、当日は、開場と同時にたくさんのファンが詰めかけていたのが、こちらalways smileです。オリジナルのスタンプは、手帳を可愛らしく飾るだけでなく、複数のスタンプを組み合わせることで、自分オリジナルのカード作りも楽しめるとあって、女性はもちろんのこと、一緒に来店したご主人やパートナーにも受け、近年は男性ファンも急増しているブランドです。

cotomono(コトモノ)

▼クリック(タップ)で拡大します。

 

奈良市ならまちの一角に店舗を構える、文房具と雑貨のお店cotomonoは、オリジナル文具の「大仏クリップ」が人気のお店です。
今回の出展では、近年ブームの兆しをみせるシーリングワックススタンプに、オリジナルの大仏をデザインした「大仏封蝋スタンプヘッド」をイベントに合わせて発売。
スタンプヘッドと合わせて、購入してすぐに使える、シーリングワックスとセットになったモデルも用意されて、初心者からヘビーユーザーにも楽しめるラインナップが揃います。
百貨店という高級嗜好品が並ぶ売り場において、比較的手頃な値段で購入できるアイテムとして人気を集めていました。

STORIO

 

新潟県小千谷でオーダーメイドの家具作りを行うストーリオ株式会社は、2016年にオリジナルブランド「STORIO」を立ち上げ、独自の”曲げ”の技術を活かしたオリジナル製品を展開しています。
「世界の筆記具ペンハウス」でも以前、紹介したことのある「万年筆ケース3本差し」をはじめ、名刺入れやマウスパッドなど、木の温もりを感じるプロダクトが大きな魅力です。
今回、ボクが気になったのが、このクルミ材を使った「ナッツケース」、とにかく軽くてコンパクトな設計で鞄の中に入れても邪魔になりません。
旅行中に、列車のテーブルや、ホテルの客室で蓋を開ければ、そこがワンランク上の上質な空間に早変わり。オシャレなバーにいるような雰囲気を味わえるのと同時に、手帳時間をさらに盛り上げてくれるツールです。
また、完全な円形でないデザインは、誤って落としてしまった時に、コロコロと転がっていかないというのも、そそっかしいボクには嬉しい仕様です。

TWSBI×KA-KU大阪コラボ

TWSBI発の日本プロダクト

 

台湾の筆記具ブランドTWSBIから初めての”made in Japan”のオリジナルプロダクトが生まれました。
日本の革職人の技術で作られた「TWSBIスムースレザーロールペンケース」は、お気に入りの万年筆が5本、ファスナー付きのポケットには、スリム軸の筆記具やちょっとした文具小物を収納する事ができます。
また、外側のスロット(万年筆収納スペース)は他のスロットよりも少し幅を持たせてあり、モンブランのマイスターシュテック149などの太軸な万年筆の収納が可能で、フラップはペンのクリップを守る仕様になっています。
フラッグシップの、TWSBIダイヤモンドをはじめTWSBI VACなど、TWSBIブランドすべての万年筆にもしっかり対応した、KA-KU大阪のオリジナルロールペンケースです。

カラーは左から、フォレストグリーン/タンブラウン/ブラック/ミッドナイトブルー

まとめ・KA-KU大阪の魅力

今回のイベントを主催した、KA-KU大阪は、TWSBI万年筆など海外からの輸入品を扱うほか、オリジナルインク等で話題を集めている会社です。
KA-KU大阪の魅力は、ただ商品を仕入れて販売するだけではなく、今回のイベントテーマでもある「書くことを楽しむ」をコンセプトに、仕事やプライベートの「書く」時間がより楽しくなる文房具や雑貨を集めたイベントを開催しています。
イベントでは、ペンやノートといった文房具の枠にとらわれず、デスクやインテリアなど、それらと組み合わせることで「書くこと」がさらに楽しくなることを教えられました。

この記事を書いた人

出雲義和
出雲義和
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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