もう終わってしまったイベントだが、先週東京で行われた文具女子博に行ってきたので、そのご報告をしたいと思う。
開催期間は2018年12月14日(金)~16(日)の3日間。ぼくは別のイベントとかぶってしまったために開催期間中は行けなかったのだが、プレスの内覧会に招待されたので、開催日前日の短い時間を使って、場内をまわることができた。
去年から開催されたこの文具女子博。今年は去年の2倍の2フロアを使っての開催で、出展ブースも増え、取り扱い文具も去年よりもかなり多かったように感じた。
内覧会は2時間しかなかったために、全部をくまなく見て回ることはできず、自分の気になっているブースを中心に回った。その中でも、一番気になったのは、やはり会場限定で販売されたインクだ。
ツバメノート
まず、ツバメノートのコーナーに直行した。もともとぼくはツバメノートは愛用していて、様々なサイズのノートを持っているのだが、会場でも、サイズもいろいろ、表紙の柄も多様なノートが山積みになっており、それを見ているだけでワクワクしてしまった。
さらに、ぼくが今回楽しみにしていたのは、ツバメノートと、セーラー万年筆のコラボレーションで生まれたインクと万年筆、ノートがセットになったギフトボックス。
箱はノートの表紙柄になっており、そこに長細いノートと、万年筆と、オリジナルインクが入っている。このサイズのノートはあまりみかけないし、インクがこのセットのみの限定インクなので、非常に気になっていたのだ。こちらのセットは先行発売ということで、今後の正式発売が非常に楽しみ。お値段的にも手ごろなので、正式発売までに色々と使ってみて、万年筆好きの友だちにプレゼントしてみるのも良いなと思っている。
パピアプラッツ
次にぼくが気になったのが、はんこ作家のericさんの作品。パピアプラッツにて、クリアスタンプという画期的なスタンプが出ている。特にericさんの文具系小物のスタンプは男女を問わず使うことのできるスタイリッシュなものなので、ぼくはこのクリアスタンプを集めており、今回今まで持っていなかった2種類のクリアスタンプを購入することができ、ついにericさんのクリアスタンプはすべて手に入れることになった。さらに会場でしか買えない限定はんこもや、クリアファイル、マスキングテープ、正方形の付箋なども新作も出ており、いずれも文具好きにはたまらないアイテムだ。
有隣堂
そして、発売前から話題になっていた、セーラー万年筆と、横浜を中心に店舗展開をしてる有隣堂がコラボレーションしたオリジナルインクも無事に購入できた。横浜の「空」「海」「港」をイメージした3つの異なるブルー系インク。限定100本ずつということで、初日に完売してしまったらしいのだが、これはぜひ今後店舗限定でも良いので何かしらの形で発売したらよいのではないかと思った。横浜のオリジナルインクを出しているお店がまだないので、そういう意味でも、こういったご当地インクを求めている人は多いと思う。
また、5180とのコラボレーションの羽ペンとインクボトルのピンズもおしゃれで、こういう文具系のアクセサリーはとても楽しいし、集める喜びも味わうことができると思う。
台彎女子市
今回の展示では海外の文具もいくつか紹介されていて、非常に興味深かった。日本とは少しテイストが違っていて、その違いを味わいながら自分好みの文具をみつけるのも楽しい。ぼくは、時間がなくて、じっくりと探すことができず、今回は海外文具を購入できなかったのだが、次回、チャンスがあれば、色々な国の文具小物を探してみたいなぁと思っている。
ナガサワ文具センター
次に訪れたのが、ちょうど1週間前にお世話になった神戸に本店があるナガサワ文具センター。東京ではなかなかこれだけのオリジナル商品を手に入れることができないし、限定商品もたくさんなるので、会場を訪れた人たちはきっと楽しい買い物ができたのではないかと思う。ぼくは、インク沼の住人でもあるので、その関係のスタンプを購入した。
国宝堂
東京インターナショナルペンショーでも出展されていた国宝堂も様々なタイプのノートを多数用意されていて、これもまたどれにするか悩んでしまうくらいだった。正方形のノートは、御朱印帖にも使える仕様になっているが、ぼくは手書きツイートなどで使いたいなと思っているところだ。
ニチバン
去年発売されてから、ぼくが愛用しているニチバンのスタンプノリのイチオシも、限定色が発売されていた。このスタンプノリは非常に便利で、紙の4点を押すだけで、ぴったりとノートに貼ることができるのだ。手を汚すこともないし、はみ出すこともないので、きれいに貼ることができるだけでなく、小さいサイズなので、持ち運びも便利。さらにケースが擬人化されていて、その表情を見るのも楽しい優れもの。ついつい集めたくなってしまう可愛さで、ぼくはこの限定カラーのパステル4色を購入することができた。なお、これは会場限定ではないので、通常の文具店でも購入することが可能だ。
新日本カレンダー 365notebook
SNSの万年筆好きやインク沼の住人たちの間で話題になっている365notebookでは、前述のericさんの限定スタンプを押すことができるイベントを開催しており、ぼくは小さい方のノートを購入。下敷きに限定スタンプを押せるのだが、大きいノートの方が下敷きも大きく、柄も多かったので、次回は大きいノートを購入したいと思った。でも、こういう限定はんこというのは、購買意欲を高めるし、付加価値もつくので、今後も(できれば数量も潤沢にしていただき)続けて欲しいなぁと思った。
この小さいサイズのノートは、無地だが、下敷きを使うことで、方眼マス目に書くことができるという優れもので、積極的に使いたい。サイズ感もちょうど良いので、携帯性もあり、軽いので、旅先でも重宝しそうだ。
文具女子博オリジナルグッズ
文具女子博のオリジナルグッズも多数販売されており、レジを待っている間にもそれらの商品が選べるようになっていたのも嬉しかった。
文房宮
会場外ではこんなお宮も設置されていた。こういう遊び心のあるコーナーも来場者を楽しませてくれるのではないだろうか。
3日間で3万5千人と、昨年の2万5千人を大きく上回る動員数を記録し、大盛況のうちに終わったイベントだったが、課題はまだ多いように感じた。会場の大きさに比べて、入場者数が多すぎて、入場するのに時間がかかってしまったり、限定商品がすぐに売り切れてしまい、欲しい文具が購入できなかった人も多かったようだ。レジの行列や、会計の方法にも問題点が指摘されていたことも少し気になった。
来年の開催も決定し、さらに大阪でも開催されることが決まったようなので、そういった課題をクリアし、より多くの文具好きが集まれる場を作って欲しいなと思った。
また、文具は女子だけのものじゃなく、男子だって使える文具はたくさんあったので、今後は女子に限定せず、普通の文具博としても面白いんじゃないかなという気もした。(もちろん、男子も入場可なのだが、男子というのは、そういうところを妙に気にしてしまうところがあるので)
ともあれ、さらに文具愛が深まるイベント、次回はもっと多くの人たちが楽しめるような会になることを期待している。
この記事を書いた人
- 文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは2000色を超える(2018年10月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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