玉石参房 第四十七房 DEC大雪冬至―From scratch! 「ゼロからイチを創れ!」―
世界の筆記具ペンハウス

玉石参房 第四十七房 DEC大雪冬至―From scratch! 「ゼロからイチを創れ!」―

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「…クリスマスが日本に入ってきていなければ、
街中も、もっとゆっくりな年の瀬なのかなー…」と

ペリー以前の年の瀬をうすぼんやり考えて現実逃避&常時蓄電優先モードの朝比奈斎が、
年末年始も「ゼロからイチを」創ります!

「冬将軍来るのかい?来ないのかい?」の一進一退のなか、
今回もどうぞよしなに。(全国的に熊は徘徊をやめていいかげんにもう寝ろ)

今年はIWIの二十四節気にちなんだインクを1年間試してきました。
トリは「大雪・冬至」!
読んだだけでも背筋が震える!

冬にちなんだ俳句2種をそれぞれのインクの色で。
先人から受け継ぐべき日本の美的感覚でございます。
後世へわたす文化のバトンなのじゃ。


教科書常連の与謝蕪村と中村草田男の俳句。
個人的に大好きなふたり。
冬色インクにもぴったりです。

128年前の1897年9月21日付の「The Sun」紙掲載の有名コラムより抜粋。
大久保ゆう氏の訳で。
昭和世代には偕成社の絵本「サンタクロースっているんでしょうか?」が懐かしいのでは?


※※※※
スクラッチ。盛大にひっかくのです。
宝くじにあらず。

幼児期にあまたの方々はご経験のある「スクラッチアート(ひっかき絵)」
主にクレヨンでいろいろ紙に塗り、
そのうえに黒クレヨンをびっしり上書き塗り。

手汚れますね。難儀ですね。

というわけで!
各自余っているであろうインク累々を代わりに使い倒しましょう。
手が汚れるのが嫌なので(←動機)

材料は、

紙(なんでもいい)
インク(黒のなかで見やすい色ならば、なんでもいい)
白ロウソク(先月の蠟引きの残りである。なんでもいい)
アクリルガッシュ黒(乾きがはやいので)

紙に普通にインク塗って、そのうえにそのまま
アクリルガッシュのせるとかたまってスクラッチできません。

そこで、間にすべりやすい材料をはさむ!
いままではクレヨンでしたが、
今回はふつうの白いロウソクを使いましょう。

まずはインクを紙に塗る。
おのおのがた、お好きにおやりなさいませ。
一年の総括、万感の思い。

今回の画像には作業手順に無関係なものが入り込んでいます。
わたくしの暗黙な「今年買って良かったもの」です。
(ペンハウス取扱商品名は末尾をご参照)


インク塗り後、完全に乾いたら、ロウソクのお尻側をつかって
塗った色の上にしっかりとロウをこすりつけましょう。
指で触って「ロウ感」がわかるくらいに。


このロウがクレヨンの代わりです。
手、汚れない。嬉々。
ロウをぬりおえたら、そのうえからアクリルガッシュ黒を塗ります。
ムラができないよう、均一に下の色が完全に隠れる厚さで。
漆職人のように。

乾燥が早いので、筆を左右に大きく振らず
(←これでは塗った端から乾くのでムラになる)、

小さい面積を小刻みにくるくる円を描くようにぬりつぶし。
さいごにムラを均す仕上げで、
筆を左右にふるようにアクリルガッシュをなでつける。
黒の被膜を創るきもちで。


ムラありの試作第一号。笑。
完全に乾いたらさあ、お好きなものでひっかきなされ。

わたくしはGペン好きなので、
「使い古した二軍落ちGペン」をつかってみるよ!
0号極細水彩絵筆の軸のお尻もちょうどよいよ!
(この忌々しき物価高時代にぽんぽん捨てらんないよ!?)

ていく・おん・みー(a-ha)

ていく・みー・おん(a-ha)

I’ll be gone In a day or two~♪(a-ha)


ふちどり線画みたいになるGペン、おもしろいですよ。
かりかり作業、蟹の身ほぐし的な無の境地へ。

黒スクラッチのつぎは白スクラッチ!
ここでつかう道具は、

透写紙(トレーシングペーパー・特厚口・0.15㎜・135g/㎡)
お好きなテンプレート定規
1㎝ほどの厚みのある柔らかな布(または素材はなんでも)
先のまるいもの(わたくしはシグノ1.0軸のおしり)

わたくしがすきなテンプレート定規は
ラダイトの「字消し板+テンプレート+定規」です。

軽くて薄い。そしてラダイトといえばスタイリッシュ。惚。
M5手帳にも個人的に毎日使うカラー芯シャープの箱にもシンデレラフィット!

実はわたくしの作品内の枠はすべてフリーハンドで
【定規は使わないゆらぎ線派】なのですが、
鎌倉・豊島屋の鳩サブレ―型テンプレート定規を買って以来、
いろいろ集めています。(画像はXなどで追って掲載)

でですね。
このテンプレートのうえに透写紙をのせて、先のまるいもので
やさしくおおきくこする。こすると。


ほほほほほ!えんぼっしんぐ!
四角いマスも内側だけ線こすり。


Ho! Ho! Ho!
文字は別の透写紙に8Bの鉛筆(極太芯)で書いたものを裏にして敷き、
先のとがったもの(書けなくなったボールペン等)で何度かやさしくスクラッチ!

白い毛糸のような表現をめざしました。
文字以外の模様はすべてラダイトのテンプレート定規内の〇と□。
字消し板その他の本来の使い方は、また次の機会に!

そして黒&白。


端をハトメで留めて可動式にしてもいいね!
冬休みのあいだにいろいろつくってみてね!

もちろん、アクリルガッシュがなくてクレヨンだけでも大丈夫。

色にいざなわれて開ける扉の向こうにひろがる、

濃く淡く美しい万年筆インクやさまざまな筆記具、紙、色の世界。

文具の楽しみの入り口となれば幸いです。

中高時代の推しのLIVE映像を〇十年ぶりに視聴。なけなしのお小遣いはすべて課金していた当時がぶわあっと蘇り、概算計算する汚れた大人になった朝比奈斎(今では自分へ優先的に課金!今年も心置きなく!甘楽甘楽!)でした。よいお年を。

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この記事を書いた人

朝比奈斎
朝比奈斎
憧れの高級文具から教室に忘れ去られた名もなき消しゴムに至るまですべての文具を偏愛する者。
文字は下書き無し・肉付け塗り無しの一発書き。
文具・画材・多肉愛好家として雑貨店「SHOP511」にて多肉植物の育成販売と文具雑貨諸事の販売に携わる。好きな言葉は「玉石混淆」

Twitter:@asahinaitsuku
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