世界の筆記具ペンハウス
雑誌「趣味の文具箱」連載でもお馴染みの文具ライター・武田健さんによる「読みもの」コンテンツがスタート!総保有インク1300本超えの自他共に認める万年筆インクコレクターである武田さん。万年筆とインクを中心に、文具にまつわるお話を連載していただきます。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

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最近のペリカンはなんだか攻めているような気がする。去年、オーシャンスワールが出た時に、何となくそんな気がしていた。それまでのペリカンとは少し違ったものを出しているような感じがしたのである。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

今までペリカンというと、比較的おとなしめのオーソドックスな色が多かったような印象。もちろん、たとえばグランプラスだとか、ヴァイブラントブルー、ヴァイブラントグリーンといった、ちょっと派手めのものを限定で出してはいたけれども、それでも、例えばイタリアのブランドと比較すると、ドイツのメーカーらしい、無難なデザイン、あるいはシックな色というのが基盤になっていた。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ところが、去年あたりから、なんだかこちらの心をそわそわさせるような軸が立て続けに出ているのである。
これは、秀逸なデザインで人気の高かったオマスが廃業し、それに続いてデルタが休業という状態を経て廃業してしまったから、ペリカンがそれまで自社にはなかったような画期的なデザインや色で、そういったブランドが好きだったファンを惹きつけようとしているのではないか!とぼくは勝手に思ってしまったほど。
そんな画期的な万年筆のうちの一本がこのペリカン スーベレーン M605 ホワイトストライプだ。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

色としては白なので、比較的シンプルなのだが、なんといっても白軸というのは、ぱっと目を引きやすい。特に最近はあまり白い軸の万年筆を見かけないから、余計に目立つような気がするのである。
しかも、ペリカンのストライプで白というのは、それだけで持つ喜びが感じられる。
そして、その白軸に施された銀色のトリムが、全体をピリッと引き締めている。白と銀色の組み合わせが、品の良さを醸し出していると言えるだろう。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ただ、一点だけ懸念点があった、それは、ストライプの部分が若干透けているので、インクの色が見えてしまうのである。つまり、インクを入れて実際に使用できるような状態にすると、完璧な白縞ストライプの状態を維持できないのだ。
他の軸は色が付いているので、中のインクの色が目立たないのだが、白軸はそこが目立ってしまう。
どんなに薄目のインクを吸入しても、インクが入っていることがわかる。
しかし、この懸念はまったくの杞憂に終わった。実際にインク入れてみると、これがまったく気にならないのだ。むしろ、白さを引き立たせるためには中に入っているインクの色が必要なのではないかと思わせるほど。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ぼくがこの中に入れたのは、昨年限定で発売されたエーデルシュタインのスモーキークォーツである。白い軸と、焦げ茶色のインクのコントラストは実に見事である。万年筆の白いストライプが襟を正してくれる気にさせてくれるし、茶色いインクが気持ちを整えてくれる。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

白軸なので、どんな色の軸の万年筆とも相性が良い。
大きさの違うルネッサンスブラウンと合わせて持っても良いし、すでに完売となってしまった金トリムのピンクホワイトやターコイズホワイトを持っている人はこの三本を並べてみても面白いだろう。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

いずれにせよ、このペリカンのホワイトストライプは、文字を書く時に姿勢を正してくれる、そんな万年筆である。

ペリカン ホワイトストライプの誘惑

<記事の中に登場する文具>
ペリカン 万年筆 スーベレーン M605 ホワイトストライプ
ペリカン 万年筆 スーベレーン M800 ルネッサンスブラウン
ペリカン 万年筆 スーベレーン M805 オーシャンスワール
・ペリカン 万年筆 スーベレーン M600 ターコイズホワイト(完売)
・ツバメノート MEMO SECTION N8001

この記事を書いた人

武田 健
武田 健
文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは1300色を超える(2018年2月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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