洗練と斬新なアイディアの結晶…LAMY2000 4色ボールペンの魅力
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洗練と斬新なアイディアの結晶…LAMY2000 4色ボールペンの魅力

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万年筆を本格的に手にするようになる前にぼくが一番良く使っていたのがボールペンだった。毎日ノートを持ち歩き、時間をみつけては何かしら思ったことを書きつけたり、読書記録を書き留めておいたりする時にボールペンが大活躍した。ゼブラからSARASAが出てからは、そのあまりの書き心地の良さに、SARASAばかり使っていた。
そんな矢先、とあるビジネス交流会に参加した時に、ある方が持っていた筆記具にぼくは目が釘付けになった。それが今日ご紹介するLAMY2000の4色ボールペンだ。
それまでボールペンなんて消耗品なんだから、書き心地さえよければ何でも良いと思っていた。ところが、LAMY2000はそんなぼくの考え方をがらりと変えてくれたのだ。
その翌日にすぐに都内の文具店で買い求めたほど気に入ってしまったのだ。

LAMY2000 4色ボールペン

そのポイントはいくつかある。
まずぼくが一番気に入ったのはそのデザイン。
とにかくただただひたすらにシンプル。それなのに洗練されているところが素晴らしい。ギリシャ建築の円柱エンタシスを思わせるようなシルエットと、ヘアライン加工という特殊な加工が施された黒い軸と、同じ加工がされているステンレスシルバーのノック部分や口金のバランスは洗練の極みと言えよう。

LAMY2000 4色ボールペン

これは、1966年に初めてラミーに登場したデザインプロダクトのシリーズで、電気シェーバーとして有名なブラウンの元デザイナー、ゲルト・アルフレッド・ミュラーとの共同作業によって生まれた。無駄をそぎ落としただけでなく、手に持った時の感触の良さ、そしてそのたたずまいに至るまで、きちんと計算され尽くされているのが実際に使っていると良くわかるのである。

LAMY2000 4色ボールペン

LAMY2000 4色ボールペン

さらに、この4色ボールペンには他のボールペンにはないちょとしたギミックが備わっている。
普通の多色ボールペンというのは、ノック部分が色によって分かれており、そこを押してその色の芯を出すようになっているのだが、このボールペンは一見するとただの一本のボールペンにしか見えない。
ところが、良くノック部分を見てみると、細長い赤、青、緑の印が記されている。それが、芯の色なのだが、その色の部分を上にした状態で、ノックをすると、その色の芯が出てくるという仕組みになっているのだ。(黒は、クリップ部分を上にしてノックすると黒芯が出てくるようになっている)
初めてそれを知った時、あまりの斬新な仕組みに、ぼくは思わず感嘆の声をあげてしまったほど。
一体どういう仕掛けがあるのか、ぼくにはわからないのだが、とにかくその斬新な発想と、そういう技術が施されることによって実現されたシンプルなデザインというところにこのボールペンの魅力が凝縮されているように感じた。

LAMY2000 4色ボールペン

LAMY2000 4色ボールペン

LAMY2000 4色ボールペン

LAMY2000 4色ボールペン

シンプルなだけに、このLAMY2000は他のどんな筆記具やノート類とも相性が良い。ぼくがボールペンを一番良く使うのは、コンサートや舞台を見に行った時にメモをするような場面だ。
万年筆だといちいちキャップを外したり、インクのことを心配したりしなくてはならないが、ボールペンだとその手間が省ける。そして、舞台を見ながら、手探りでノートにペンを走らせることができるのもボールペンの良さだ。
先日もコンサートに行った時の備忘録にこのLAMY2000が大活躍した。音楽を聴きながらも、片手で何となくこの軸を触っているだけで、心が落ち着いてくるという不思議な感覚を味わうことができた。
デザインはもちろんのこと、肝心のペンの書き心地もとても良い。滑りが良く、油性なので、思わず手でこすってしまっても、にじんだり汚れたりする心配がないので、暗がりでも気軽に文字を書くことができる。
このLAMY2000はデザイン、機能、そして書きこごちのバランスがとても良いので、一本持っておくと様々なシーンで活躍すること間違いなし。
また、価格的にもリーズナブルなので、プレゼントとしても最適だ。これから新生活を送る人も多いと思うので、そんな人への贈り物としても良いだろう。

<関連リンク>
Pent〈ペント〉ラミー 4色ボールペン Lamy2000 L401
<画像に写っているアイテムはこちら>
・手帳:あたぼうステーショナリー ヒラタインダー

この記事を書いた人

武田健
武田健
文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは2000色を超える(2018年10月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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