京都手書道具市
2022年9月9日から11日までの3日間「京都手書道具市」が京都文化博物館の別館で開催されました。
重要文化財にも指定されている京都文化博物館別館は、日本銀行東京支店や大阪中央公会堂などを手掛けた辰野金吾氏とその弟子長野宇平治氏の設計で、高い天井と外からの自然光を取り入れるドーマー窓が特徴の会場は、入っただけでドキドキするほどの素敵な空間です。
今年は、昨年を超える31社が出展、「書く」ことにこだわりを持ったメーカーと、それ以上にこだわりを持ったユーザーが集まり、初日のプレミアムデーは、平日にもかかわらず、開場を待ちきれないファンが長い列を作っていました。
紙メーカーさんがクローズアップ
今年の「京都手書道具市」には、万年筆はもちろんガラスペンや万年筆インクといった、今の文具業界を象徴する人気アイテムのブースが軒を連ねると同時に、こだわりの筆記具にはこだわりの紙をと、神戸派計画、山本紙業、WACCA(敬称略)など、こちらも文具ファンから人気を集める紙の専門メーカーも出展していました。
実は今回の「京都手書道具市」は取材ではなく、プライベートで満喫するつもりで料金を払って入場したところが、各ブースから「出雲さんちょっとコレ見ていって」と声をかけられて、まるで歓楽街の客引きのような状態。
その中のひとつが「世界の筆記具ペンハウス」のブースで、イチオシされたのが、このイベントがデビューとなった、Pentの新製品「INKTIONARY」です。
「京都手書道具市」で完売デビューを飾ったPentの「INKTIONARY」
万年筆インクファンが、インク見本を作る際、カードスタイルでコレクションする人や、1冊のノートにまとめる人など、管理方法はそれぞれです。
Pentの「INKTIONARY」は、手のひらにのる名刺箱のような大きさと、洋書を思わせるオシャレな装丁のパッケージが特徴です。
中身を取り出すためには蓋を外すのではなくて、辞典のように函(はこ)から引き出して、本の表紙を開くようなプロセスは、とてもアナログで万年筆ユーザーの心をくすぐります。
会場で試し書きをさせていただくと、万年筆で筆記した文字が滲まずくっきりと浮かび上がり、視認性に優れた紙を使っていることがわかります。
「これって紙はなんですか?」と訊ねると、「あっち!あっち!」と指をさした先にあったのが、創業から110年を越える紙の専門メーカー吉川紙商事株式会社のブースでした。
ややグレーかかった色味の「NEUE GRAY(ノイエグレー)」は、万年筆の筆記に負けない書き心地と、照明の反射光を眩しく感じない目に優しい用紙で、近年人気を集めている話題の紙製品です。
なるほど!ペンハウスのブースにみなぎっていた自信はこの「NEUEGRAY」を採用しているからだったわけですね。
「世界の筆記具ペンハウス」と「吉川紙商事株式会社」の技術が融合して生まれた「INKTIONARY」は、新しいスタイルの提案と、これまで「いつかやろう」とほったらかしにしていた「万年筆インクの管理と整理」を、やる気にさせてくれるツールになってくれそうです。
INKTIONARYのポイント!まとめ
①インクカードとしてコレクションできる仕様。
②1冊のインク帳としても使える。
③洋書を彷彿させるオシャレなデザイン。
④用紙は万年筆の筆記に最適化されたNEUEGRAYを使用。
<この記事に登場する文具>
・Pent〈ペント〉 by NEUE GRAY インクカード INKTIONARY(インクショナリー)
この記事を書いた人
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文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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