世界の筆記具ペンハウス
文具好きの小部屋

日本人の象徴、サクラに彩られた「グラフィーロ 桜ism 一筆箋」

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 先月、日本の和紙はいいぞ!とベタ褒めしたコラムを書いたばかりなのに、今月は洋紙です。

しかし、洋紙といっても海外のブランド紙ではなく、日本で開発された「万年筆好きの、万年筆好きによる、万年筆好きのための紙」が今回紹介する、大和出版印刷株式会社(以下大和出版印刷)の「GRAPHILO(グラフィーロ)」にまつわるお話しです。

グラフィーロの魅力

 万年筆らしい書き心地をより明確に活かすことに特化した「GRAPHILO」は、万年筆ユーザーから絶大な支持を集めている大和出版印刷のオリジナルペーパーです。

大和出版印刷には「GRAPHILO」が発売される以前から、やはり万年筆ユーザーから人気を集めた「リスシオワン」という用紙がありましたが、新たに万年筆に最適化した紙をつくるにあたり、万年筆愛好家の人たちと意見交換を行い、彼らが求める理想の紙の開発をすすめてきました。

理想の紙と一言に言っても好みはそれぞれに意見が分かれるところで、特に普段から万年筆を使う事に慣れた強者たちが求めるニーズをまとめるのはさぞかし大変だったのではと、勝手に想像してしまいますが、「滑らかな書き心地でありながら、しっかりとペン先と紙の接点が指先に伝わる筆記感」にフォーカスを当て、数限りない試行錯誤の繰り返しから生まれたのが、この「GRAPHIRO」でした。

 こうして完成を迎えた2014年、文具業界では国内最大級の展示会「国際文具・紙製品展ISOT」でデビューをはたし、会場での商談会を通じて、万年筆愛好家が待ちわびる全国の小売店の店頭へ並ぶことになりました。

春がよく似合う桜ism一筆箋

春がよく似合う桜ism一筆箋

 万年筆での筆記にこだわり抜いた用紙「GRAPHILO」を使い、春がよく似合うサクラをテーマにした「一筆箋 桜ism」が、世界の筆記具ペンハウスのオリジナルブランドPentから発売になりました。

 平安の時代から日本人にとって特別な存在であり、親しまれてきたサクラの花言葉を検索してみると「純血」「優美」「美麗」といった美しさをたたえる言葉がつぎつぎと出てきます。

さらに、英語での花言葉は「Spiritual beauty(精神の美)」と呼ばれて、なんとも日本人の心象にピッタリな表現です。

そんな、サクラに彩られた「桜ism一筆箋」は、新学期や新社会人を迎える人たちへエールの言葉を贈る時にも、お世話になったあの方に感謝の気持ちを伝える時にもぴったりな存在です。

また、海外への旅行規制も緩和されて、海の向こうの友人に日本からのプレゼントとしても喜ばれることまちがいなし。

私たち日本人のこころの象徴であるサクラをデザインした「グラフィーロ桜ism一筆箋」は和のテイストが最後の1ページにまでしっかり詰まっています。

文具愛好家の考察

桜

 書くことが大の苦手だった頃、仕事やプライベートで御礼の手紙を書くことがとにかく嫌いで、あの大きな便箋を目の前にすると、何を書いていいのか尻込みをしていたときに一筆箋と出会い、なにも無理をして長い文章を書く必要は無いということを知って、書くことへの恐怖のような物から解放された経験がありました。

日本における「春」は、出会いや別れ、そして旅立ちの季節で、様々なケースで挨拶を認(したた)める機会が多くなります。

肩肘を張らずに、SNSに投稿するようなフランクな気持ちで使える「グラフィーロ 桜ism 一筆箋」は、日本の習慣に添いながら、書くことの堅苦しさを払拭してくれる一筆箋として、送った相手にもきっと喜んでもらえる逸品です。

<この記事に登場する文具>
Pent〈ペント〉 by 大和出版印刷 GRAPHILO(グラフィーロ)桜ism 一筆箋

この記事を書いた人

出雲義和
出雲義和
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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