世界の筆記具ペンハウス
雑誌「趣味の文具箱」連載でもお馴染みの文具ライター・武田健さんによる「読みもの」コンテンツ。総保有インク1300本超えの自他共に認める万年筆インクコレクターである武田さん。万年筆とインクを中心に、文具にまつわるお話を連載していただきます。

真夏に使いたい万年筆特集 第2弾「ファーバーカステル ギロシェ」

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最近はスマホやタブレットなどの端末を使ってスケジュールを管理したり、メモを書いたりする人が多く、手書きの機会が減ったという人が多くなってきている。しかし、これはぼくの周りだけかもしれないけれども、その反動で逆に手書きの面白さを再発見したという人の話もしばしば耳にする。

特に万年筆を日ごろから愛用している人は、普段から愛用の万年筆を持ち歩き、時間をみつけては手帳に何かを記入したり、誰かに手紙を書いたりしているようだ。

そういういわゆる文具好きの人たちの中にもいくつかの傾向が見られる。例えば、高級万年筆を持ち歩くのは怖い(紛失や盗難などの心配がある)から、そういう万年筆は家の中でしか使わないという人。その一方で、万年筆は使ってなんぼ、だから高級だろうが限定だろうが、外出先でもがんがん使うという人だ。

ぼくは後者で、たとえその万年筆が高級なものであったとしても、できるだけ外でも使いたいと思っている。というか、そんなことを気にしていたら、いつまでたっても万年筆を使えなくなってしまう。家で万年筆を使う機会は限られているし、外でノートに向かうことも多いからだ。

しかし、だからといって、高級な万年筆を無造作に鞄の中に入れておくのは怖い。それなりのペンケースに入れて、大切に持ち運びたいと思っている。

今日ご紹介するのは、ペンケースとセットで使うとさらに愛着がわくシリーズだ。

ファーバーカステル ギロシェ

ドイツの筆記具メーカーであるファーバーカステルの高級ラインはシンプルな中にエレガントな雰囲気を漂わせており、そこに親しみを感じる。一見あっさりとした何の変哲もない軸に見えるのだが、よく見ると、細かい細工がされているし、色も微妙な淡い色合いで、他の筆記具やノートとの相性も良いので、持ち歩きたいという気持ちが高まる。

さすがにいくら美しいからといって、ぱっと買うことができるような値段ではないので、インクコレクターのぼくは、まずはインクから揃え始めた。ファーバーカステルのインクはまずそのボトルの形がとても重厚で、机の上に置いているだけでも存在感がある。

ファーバーカステル ギロシェ

ファーバーカステル ギロシェ

しかし、やはりインクだけでは物足りないと思うようになり、万年筆を何か欲しいなと思っていたところに登場したのが、ギロシェシリーズだ。

まず注目したいのはその色展開。新色のガルフブルー、ヴァイパーグリーン、インディアレッドの他に、ターコイズ、バーントオレンジ、バイオレットなど、実に色鮮やかな色が展開されており、それぞれの色で、万年筆、ボールペン、ローラーボール、ペンシル、インク、ペンケース、ウォレットなどが用意されている。このアイテム数が多いのもコーディネートを楽しみたいという人には嬉しいだろう。

ファーバーカステル ギロシェ

もし、自分の好きな色があれば、すべてを同系色で揃えてみるというのも良いだろう。ぼくはターコイズが好きなので、ターコイズで揃えようと最初のころは思っていたのだが、なんとなく、それだけでは物足りないような気がした。同系色で揃えるのは、すっきりとして楽しいし、自分の好きな色だと余計にその面白さも増す。しかし、ちょっとアクセントを加えたいとか、違った雰囲気を楽しみたいと思うこともあるだろう。
そこで、ぼくはそのターコイズの万年筆に合わせて、別の組み合わせを考えてみようと思い立ったのだ。

まず、ペンケースは、新発売のガルフブルー。空の青さを思わせる鮮やかな色で、ターコイズ色の万年筆との対比が面白い。また、形もシンプルで、すっきりとしているので、どんな鞄の中から出てきてもさりげないおしゃれをそれだけで演出できる。

ファーバーカステル ギロシェ

ファーバーカステル ギロシェ

ファーバーカステル ギロシェ

そして、その万年筆と合わせるもう一本をボールペンにするか、それとも、同じ万年筆にするかぼくはとても悩んだ。最近はボールペンもできるだけ良いものを持ちたいと思うようになったのだが、なんとなくこの季節はボールペンよりも、やはりもう一色別の万年筆を持ち歩いた方が良いのではないか、という気がしたので、バーントオレンジを選んでみた。

ファーバーカステル ギロシェ

なぜこの色を選んだのか。それは夏の海で見る夕焼けを連想するから。そして、ボールペンではなく、万年筆を選んだのも、そんな夕焼けをイメージしたインクで文字を書きたいと思ったから。

ファーバーカステル ギロシェ

ファーバーカステル ギロシェ

例えば、日記や雑記帳に、ターコイズ色のインクで文字をつづり、アクセントとしてバーンドオレンジのインクを使ってみたら、それだけでそこに夏の香りが漂ってくるのではないだろうか。
あるいはちょっとした手紙にもそういった組み合わせを使ってみるというのも良いかもしれない。

ファーバーカステル ギロシェ

まるで洋服を色々と組み合わせるように、筆記具もコーディネートしていくというのは、楽しいことでもある。例えば、旅に出る時なんかは、こういう小物の色使いを楽しんでみるというのも良いのではないだろうか。そうすれば、旅から戻った後でも、そういった筆記具たちが、旅の思い出を鮮やかな思い出してくれるかもしれない。

色展開が豊富なファーバーカステルのギロシェシリーズは、おしゃれ心をくすぐるシリーズと言って良いだろう。

ファーバーカステル ギロシェ

ファーバーカステル ギロシェ

ファーバーカステル ギロシェ

<記事に登場するステーショナリー>
ファーバーカステル 万年筆 ギロシェ 145201 ターコイズ
ファーバーカステル 万年筆 ギロシェ 145221 バーントオレンジ
ファーバーカステル グレインレザー ペンケース 118674 2本用 ガルフブルー
ファーバーカステル 伯爵コレクション ボトルインク 75ml
・あたぼうステーショナリー ふたふで箋 碧翡翠

この記事を書いた人

武田 健
武田 健
文具ライター、山田詠美研究家。雑誌『趣味の文具箱』にてインクのコラムを連載中。好きになるととことん追求しないと気が済まない性格。これまでに集めたインクは1300色を超える(2018年2月現在)。インクや万年筆の他に、香水、マステ、手ぬぐいなどにも興味がある。最近は落語、文楽、歌舞伎などの古典芸能にもはまりつつある。
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