世界の筆記具ペンハウス
文具好きの小部屋

家庭や職場で出た使用済み用紙でつくるメモパッドのススメ

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文具とSDGs

 SDGs(SDGs:Sustainable Development Goals)は2015年9月に開催された国連において、150を越える参加国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能なよりよい世界を目指すための指標です。
この中に掲げられた17のゴールのひとつに「つくる責任つかう責任」という項目があり、限りある資源を有効活用しないまま無駄に浪費させてしまうこと改善する、いわゆるフードロスといったことに対する取り組みです、この一環として脱紙社会(ペーパーレス)を促進する企業が出てきました。
ある調査機関がアンケート調査をおこなったところ、約50%以上の企業がなんらかの方法で紙の使用を減らす対策に取り組んでいるという結果が出たそうです。

ところが、企業間での意識の差や、取引先との連携の問題で自社の努力だけでは完全なペーパーレス化を実現することができないなど、思うようには進んでいない現状もあります。

私のようなライターでも、ワードプロセッサーを使って書いた原稿は電子メールに添付して編集部宛に送るケースがほとんどで、原稿用紙をそのまま郵送することは、さすがにありませんが、執筆した原稿を推敲(校正)する際には、必ずプリントアウトして「紙」の状態でチェックを行うので、ペーパーレスで仕事を完結させることは不可能で、このコラム「逸品の小部屋」を例にあげると、1本分の原稿をプリントアウトするとA4サイズで5枚程度、これを最低3回から5回は見直すので、最低でも25枚程度の印刷用紙が必要になります。
さらに、書籍の単行本ともなると編集担当者が納得するまで見直しのキャッチボールが繰り返されるので、単行本のページ数の数倍もの紙を使うことになります。
モニターやタブレットでチェックすればいいじゃない?と思う方がいるかもしれませんが、PCの画面でチェックする場合と紙にプリントアウトした状態では、ミスを発見するのは圧倒的に「紙」の状態です。
このような現状ではありますが、個人としても「つかう責任」をしっかり果たすために、役目を終えた紙の再利用に務めています。
今回はそんな使い終えた「使用済み用紙」をリユースするお話です。

職場や家庭で出る紙ゴミ

 職場や家庭で出る紙といえば、使用済みのコピー用紙や使い終えた印刷用紙を思い浮かべます。
企業の場合、重要な書類はシュレッダーにかけて処分しますが、印刷ミスや使用済みコピー用紙など、印刷面の反対側がまだ筆記として使用できるものを再利用することは、立派なエコ活動になります。

そんな使用済み用紙をクリップなどでまとめてメモ用紙として活用するのもいいアイデアですが、デスクの上で使う場合、クリップ部分が場所をとってしまいます。
そこでひと工夫加えることで、市販の製品には及ばないまでも、ひけをとらないメモ用紙(メモパッド)を作ることができます。

Howto

 一般的なコピー用紙はA4サイズで、アイデアメモやひとりブレインストームミーティングなどにはこのまま使えますが、デスクで使用する場合にはA5サイズやA6サイズに整えるのが便利です。

 切るという作業は、カッターナイフとカッティングマットあとは定規があれば可能ですが、PLUS株式会社から発売されている「スライドカッターハンブンコ」を使うと、採寸する必要がなく、使用済み用紙をセットするだけで、真半分にカットすることができて、これ一台あるだけ作業効率は格段にアップします。

 自身が使いたいサイズにカットする事ができたら、用紙をまとめて天に糊をつけます。
糊は市販のヤマト株式会社の「アラビックヤマト」やフエキ株式会社「しわにならない糊」など、街の文具店やコンビニエンスストアで手軽に入手可能な糊でも大丈夫なので、わざわざ製本用の糊を用意する必要はありません。
糊つけの際、天にあたる部分をすこしさばいて隙間に糊が入りやすくしておくと、乾いたときにしっかりとしたメモパッドになります。
また、紙にも使える「木工用ボンド」なら、さらに強度のあるメモパッドにすることができます。市販の水糊には満足できない方はこちらの方法を試してみてください。

 天に糊を塗ったら、あとはクリップで固定するだけ、季節や部屋の湿度によって乾く時間に差がでますが、職場なら仕事を終えて帰宅する前に、自宅なら寝る前にセットしておけば、翌朝には完成です。

 使用済み用紙の裏に、用途に応じた書式を印刷することで”こだわりのメモパッド”をつくることもできます。
シンプルな「Memo」スタイルから、仕様を決めた「電話受付Memo」、やることをまとめた「Todo Memo」など、目的と書き込む内容があらかじめ決まっているようなケースには、こういったひと手間がより作業を効率化すると同時に作る楽しみも味わえます。(業務に差し支えない範囲で)

 もっと手軽に、もっと簡単にメモをつくるのなら、POSTALCO(ポスタルコ)などから発売されている「スナップパッド」が便利です。
市販されている「2つ穴パンチ」で使用済み用紙に穴をあけるだけで即完成なので、1番手間がかからないのがこのスナップパッドのようなツールかと思います。

文具愛好家の考察

 ペーパーレス化は、これからの社会が避けて通ることができない道かも知れませんが、「紙に書く」という行為は「バレットジャール人生を変えるノート術」の著者ライダー・キャロル氏が”手で文字を書くと、パソコンやスマートフォンで文字を入力するよりも記憶に定着しやすい”と本書のなかで書かれているように、数値化できない効果があるとされています。 もちろん「無駄」は避けなければいけませんが、資源の効率化や再利用は積極的にすすめて、文具愛好家として「書く」楽しみを忘れず、これから時代と向き合っていきたいと思います。

この記事を書いた人

出雲義和
出雲義和
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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