Pent×SAILOR コトバノイロ万年筆「雪国」について
朝比奈斎がレビューします。どうそよしなに。
やわらかな乳白色ブルーのキャップと尾軸、
緑味も感じるクリアブルーの胴軸の落ち着いたコントラスト。
上品なブルーのラメが散らばり、とても美しい…。

晴天の積雪に穴をあけると見られる、あの「雪のクリアブルー」です。
滝が凍った時の色は、氷瀑ミルキーブルー。冬色の再現、素晴らしい。
上品なラメの煌めきは陽光や月光の反射の色を思い起こします。
ゴールドトリムは、雪国の夜のイベントや鳥追い祭り等の祈りの灯り、
そして雪の夜の民家の営みのやさしい灯りを連想。

天冠の「P」ロゴもすっきりとお洒落。
14金のペン先刻印も非常に美しい世界観です。
オリジナルインク・コトバノイロ「雪国」を使って細字から太字まで表現してみました。
今回の筆記見本はすべて同じ万年筆(ペン先・Zoom)で、
いつものとおり、下書き肉付け塗り無しの一発書きで作成しています。
用紙:SAKAEテクニカルペーパー・イロフル
川端康成「雪国」冒頭を英訳版とあわせて。
インクの出は、渋過ぎず潤沢過ぎずジャスト。
ペン先はさらさら、さすが国産老舗の書き出し性能です。
小ぶりなスリムとはいいながら、軸の太さが細身の指くらいなので安定感あり。
重心は前寄り、キャップを後ろにしても、とてもバランスが良いです。

文章:川端康成「雪国」より。

文章:白居易「香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁」より。 「香炉峰の雪は簾を…」は清少納言エピソードにも出てきます。

左用紙:山本紙業・コスモエアライト
中用紙:SAKAEテクニカルペーパー・トモエリバー
右用紙:山本紙業・コスモエアライト
さらさら、するするの書き心地と、
インクのうるみがゆっくり乾いていくまでの色の変化は、
万年筆の醍醐味です。

落ち着いた色味と輝きが、雪のさまざまな場面を表します。
音もなくふりつむ雪、ふんわり厚く積もる雪。
昼夜、連綿と続く日々の暮らしの中で、
美しい世界観の万年筆とふれる入り口となりますなら、幸いです。
ではまた。朝比奈斎でした。
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この記事を書いた人

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憧れの高級文具から教室に忘れ去られた名もなき消しゴムに至るまですべての文具を偏愛する者。
文字は下書き無し・肉付け塗り無しの一発書き。
文具・画材・多肉愛好家として雑貨店「SHOP511」にて多肉植物の育成販売と文具雑貨諸事の販売に携わる。好きな言葉は「玉石混淆」
Twitter:@asahinaitsuku
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