世界の筆記具ペンハウス

「神業 アセテート万年筆」朝日新聞にて大西製作所が紹介されました!

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朝日新聞/近畿版2017年3月18日(土)

朝日新聞/近畿版、2017年3月18日(土)の朝刊にて、大西製作所の万年筆職人「大西慶造」さんが紹介されました!実はペンハウスも当日取材に同行しておりましたので、その詳しい内容と、あらためて大西製作所の魅力をレポートしてみたいと思います。

朝日新聞のコラム「近畿の底力」は毎回様々な企業を紹介する企画。記事では大西さんの熟練の技を「神業」と表して、技術の高さ、アセテート加工の難しさ、手作り万年筆の稀少性が紹介されています。

世界が注目する大西製作所の万年筆

では、ここからはペンハウスがあらためて大西製作所の万年筆の魅力についてご紹介してみたいと思います。

世界が注目する大西製作所の万年筆

大西製作所は万年筆職人「大西慶造」さんが昔ながらの轆轤(ろくろ)を用いた手法で、アセテートなどの万年筆やボールペンを、東大阪にある小さな工房で手づくりしています。国内にも愛好家が多く、近年は海外からの注文も数多く寄せられています。

万年筆ひとすじ60年!

大西さんが万年筆作りを始められたのは今から約60年前。愛媛の中学を卒業後、就職のため船で大阪へ。1950年台といえば万年筆全盛期の頃、海外への輸出を主とする大手万年筆メーカーで、万年筆作りの基礎を学ばれたそうです。
当時はセルロイド素材を中心に職人達が轆轤を使い万年筆を作っていましたが、徐々にプラスティック素材や海外の安価な製品の影響を受け、万年筆職人の数は激減してしまったといいます。

万年筆ひとすじ60年

その後、万年筆の製作からは一度離れるものの、筆記具メーカーで万年筆の販売や製造に関わりながらたくさんの万年筆に触れ、そのときの経験が今の製作にも生きていると大西さんは振り返ります。

カトウセイサクショへの参加

画像左が大西さん、右は加藤さんの当時の製作風景。

画像左が大西さん、右は加藤さんの当時の製作風景。

転機は定年後の60代半ば、世界的にも有名だったカトウセイサクショカンパニーの万年筆職人、故加藤清さんの工房に「偶然」か「必然」か誘われることになります。ふたたび万年筆作りを始めた大西さんですが、ブランクはほとんど感じなかったといいます。それほどまでに万年筆作りが体に染み込んでいたのだと思われます。その後2010年、加藤さんの死去に伴い、独立して大西製作所を立ち上げることとなります。

加藤さんが長年使い込んだ轆轤

大西製作所の工房には、加藤さんが長年使い込んだ轆轤などが受け継がれ、今もそのまま使われ続けています。

美しい反面、加工の難しいアセテート

美しい反面、加工の難しいアセテート

大西製作所では主にアセテートを使用した万年筆が作られています。アセテートは木材パルプ(セルロース)を原料にしたアセチルセルロースから作られる繊維質の素材で、表面に適度な吸湿性を持つため、まるで手に吸い付くような優れた手触りと、透明性・発色性の良い深みのある色柄が特徴です。
筆記具のほか、肌に触れるメガネのフレームなどにもよく使用される良材ですが、特に筆記具に仕上げるには高度な技術が必要で、大変な手間暇がかかります。おそらく今、アセテートで万年筆を手づくりする職人は、日本でも大西さんだけではないでしょうか。

指先の感覚だけを頼りに

指先の感覚だけを頼りに

大西さんの万年筆の製作は、長さ約60cmの角材を切るところからはじまります。その後、角を落とし丸く成形した軸材の真ん中に穴が開けられます。もちろんすべて手作業です!

そして加藤さんから譲り受けたベルト式の轆轤にセットされた軸材は、大西さんの指先の感覚だけを頼りにカンナで削られていきます。これは何度見ても圧巻です!この作業は旋盤と呼ばれる機械でも可能だそうですが、表面の美しさは轆轤のほうが断然綺麗に仕上がると大西さんはいいます。

成形された軸材は何度もヤスリやバフで丁寧に磨かれ、徐々に光沢を放ち始めます。大西さんに製作工程の中で一番難しい部分を尋ねたところ、首軸部分だと答えが返ってきました。首軸の製作は、細かい形を作り出すために、この部分だけでも10以上の工程を何段階にも分けて削り出されます。

大西さんによると、現在主流のプラスチック製であれば、金型に素材を流し込み、プレスするだけで簡単に形を作れますが、その仕様上、必然的に軸に継ぎ目ができてしまいます。大西さんの万年筆は首軸もすべて一本の軸材から削られて作られるため継ぎ目が存在しません。

首軸もすべて一本の軸材から

万年筆づくりで一番嬉しいときは?

最後に大西さんに万年筆づくりで一番嬉しいときは?と尋ねると、にっこり微笑みながら「キレイに仕上がった時」だと仰いました。万年筆づくりは難しく、納得できるものは1年に1本あるかないかだといいます。「いつも勉強」と語る熟練職人の、このひたむきな姿勢が美しい万年筆を生み出す秘訣なのかもしれません。

万年筆づくりで一番嬉しいときは

新聞記事の中で、「6坪の町工場が有名ブランドと張り合っている。」というのが印象的でした。大西さん曰く「大手では手間がかかるためやらないことをやっている」と。大西製作所のアセテート万年筆を手にすれば、その意味に納得いただけるのではないでしょうか。

<大西製作所の商品一覧はこちら>
https://www.pen-house.net/category/ONISHI_SEISAKUSHO/

(※記事内画像は2013年頃撮影したものを一部掲載しております。)

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