
旅行から帰ってきて、「旅の想い出」の記録をノートにまとめている人はどのくらいいるのでしょうか?
スマートフォンの普及と、付属するカメラの性能がアップしたおかげで、旅先で撮影した写真を本体のメモリー内に残しておしまい?というひとも多いのかなと思います。
昨年、旅先で手に入れた、観光案内所のパンプレットや地図、移動手段に使った鉄道きっぷや航空券、さらには美味しかったお店のショップカードなど、アナログな紙物をたくさん集めるという記事を書きました。
今回は、旅の記録のとりかたと撮った写真を使った「旅の思い出ノート」をつくる実践編をお届けします。
近年、InstagramなどのSNSで、旅の記録をおしゃれに飾ったノートの写真が投稿されています。ボクのように絵心がないという思い込みで二の足を踏んでいるひとがあるかもしれませんが、旅の思い出ノート暦10年、その間、挫折と試行錯誤を繰り返した結果、これなら誰でもできるんじゃないかな?というアイデアを今回は紹介します。
アナログな紙物集めの記事はこちら
旅の想い出を綴るノート選び

ノート選びに決まりはありません、キャンパスノートやロルバーン、モレスキンノートブックなど、自分がいいなと思う、すなわちモチベーションがアップするノートを選んでください。
理想をいえば、パンフレットやチラシをはじめ、家庭用のプリンターもA4サイズがデフォルトになっている現在では、A系ノート(A5サイズ)が整理に向くと思います。

ボクの場合、「旅の想い出ノート」つくりを始めたきっかけが、株式会社デザインフィルのトラベラーズノートだったため、この10数年で60冊以上におよぶ旅の記録は、ほぼこのトラベラーズノートで統一しています。
トラベラーズノート専用リフィルといっても、実はA5スリム(A4の1/3サイズ)なため、ほぼA5サイズと同様の使い方ができるという点が気に入っています。
旅の記録の綴り方

旅をしながらそのときの思いや感想をリアルタイムでノートに綴っていくことが理想ですが、実はこの作業がとても難しく、なかなか思うようにはいきません。
飛行機や新幹線など、座席にテーブルが備わっている移動手段ならば、簡単なメモ程度の筆記は可能ですが、ローカル列車やバスの走行中に、旅の記録を綴るのは至難の業です。
旅の最中、落ち着いてノートとペンに向き合えるのは、せいぜいカフェやホテルくらいですが、恋人や仲間、家族が一緒だと、そんな時間を確保するのは、さらに難しくなります。
ボクもそんな経験があって、記録として残せなかった旅の想い出がいくつもあるので、過去に挫折した人も、どうぞご安心ください。

旅の記録は、移動中の「隙間時間」を利用しましょう。
今の時代、スマートフォンやタブレットPC(iPad)などのデジタルデバイスをお持ちの人は多いはず、これらのツールを使って記録するというのが今回のポイントで、普段からSNSに投稿する機会が多い人ほど、メリットは大きく、揺れる交通機関の移動中でも十分に「記録」することが可能です。

この方法で旅を記録して、帰宅後にプリントアウトするようになってから、これまでに挫折したときの感覚「あぁ、やっぱり面倒くさいから辞〜めた!」ということがなくなりました。また、印刷時には、コピー用紙ではなく市販のシールシート(例:コクヨS&T株式会社のはかどりラベルやスリーエムジャパン株式会社のラベルシール)を使うと糊付けが不要になって、作業も楽になります。

旅先で撮影した写真を、スマートフォンの中に入れておくことも旅の想い出として有効ですが、「世界の筆記具ペンハウス」の読者のように紙物や書くコトが大好きという人なら、写真をプリントアウトして、旅の思い出ノートにドンドン貼り付けていきましょう。
写真印刷は、プリンターにWifi経由(あるいはBluetooth)でスマートフォンから直接印刷できるモデルもありますし、パソコンに一度写真を取り込んでから印刷する方法もあります。
ボクの場合、Excelなどの表計算ソフトをつかい3×3計9枚の写真が1枚のシートに印刷できるひな形を作成して、そこに取り込んだ写真をはめ込んでいます。

表計算ソフトを開いた状態で、写真をドラッグアンドドロップするだけで、枠に合わせてサイズを整えてくれるので、1枚ずつ大きさを調整する必要がなくなります。 もっと大きなサイズで印刷がしたいときには2×2のひな形を作るか、あるいは写真プリント用紙の2Lやハガキサイズを使って印刷するのもオススメです。
旅の想い出素材

旅行中にスマホやタブレットで書いた記録や、印刷した写真を貼り付けていくだけで、「旅の思い出ノート」は、ほぼ完成します。
貼る物によっては、ちょっとした工夫が必要になるかもしれませんが、それはそれ、それすらも旅の楽しい時間の一部になります。

3×3のひな型は、トラベラーズノート1ページに対して、3枚の写真を並べて貼る事ができます。この場合必ず余白ができるので、手書きでタイトルやキャプションを加えると、アナログ感が溢れた自分だけのノートに仕上がります。
トラベラーズノートは?

「旅の想い出ノート」の話ばかりを綴ってきましたが、じゃあトラベラーズノート(革製のカバー)は?というと、クレジットカードや会員証、現金を入れるウォレットの役割、航空券やチケットを納める器、そしてメモなどをまとめるツールとして旅行中は大活躍してくれています。
この話は、また別の機会に。
旅の思い出ノートに役立つツール
地図スタンプ

日本地図をデザインしたスタンプを「旅の想い出ノート」の最初のページに捺して、今回訪れた都道府県を塗りつぶしておくと、“ここへ行ってきました感“がひしひしと、より視覚的に伝わります。
ラベルライター

カシオ計算機株式会社や株式会社キングジムから発売されているラベルライターを活用すると整ったタイトルラベルを印刷できます。最近では、スマートフォンアプリから手軽に印刷できるコンパクトなモデルも登場しているので、1台手元にあると文房具ライフがさらに楽しくなります。
ミニプリンター

キャノンのミニフォトプリンター「iNSPiC(いんすぴっく)」は、バッテリーを内蔵したスマートフォン専用プリンターで、旅のお供に連れて行けば、簡単に撮影した写真を印刷できます、さらに写真シートがシールになっているため、その場でノートに貼れてすこぶる便利なツールです。
シールシート

写真を印刷する際に、プリンターメーカーから発売されている純正の写真専用印刷シートは画質の点でも優れていますが、1枚ずつ糊付けするのは実に面倒です。そこで画質の点では少々劣りますが、Amazonのサイトでも購入できる「写真シール・光沢」(A-SUB)を使うと、作業効率が格段にアップします。(50枚で999円 2025年4月8日現在)
文具愛好家の考察

歳を重ねると、だんだんと記憶が曖昧になってきて「楽しかった」「美味しかった」という印象は残っていても、あれは何というお店だったけ?あの場所に行ったのはいつだっけ?ということが当たりまえになっていきます。
「旅の思い出ノート」は、その時の想い出を蘇らせてくれる”記憶のトリガー”になります。
そんなことを意識し始めると、写真を撮るときでも、料理と一緒にお店の屋号がわかるように箸袋も撮っておいたり、また、その時の服装がわかるように(誰かに撮ってもらう、あるいは自撮りをする)したりしておくと、次回、旅行に行く際のヒントにもなって、データベースという役割も果たしてくれます。
さて、いよいよゴールデンウィークが目の前です、旅の楽しみ方のひとつに「旅の思い出ノート」つくりを加えてみてはいかがでしょう。
この記事を書いた人

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文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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