木工家・永田篤史氏とのコラボレーションで完成したエクステンダー『Pent×工房楔 トゥラフォーロ アセテート/ステンレス』。心地よい手触りと美しいアセテートの発色、そしてエクステンダーの高い機能を堪能できる極上の仕上がりで発売開始以来、大反響を頂いております。
遡ること数ヶ月前、我々ペンハウスはエクステンダー完成のご報告を受け、永田さんの工房にお邪魔していろいろとお話を伺ってまいりました。今回はその時の模様を写真とともにお届けしたいと思います。
永田さんの工房へ
新幹線に乗って岐阜県の南部へ。周りを田畑に囲まれた静かな場所に永田さんの工房はあります。永田さんに案内していただき工房の中へ入ると、広々とした空間の中には数々の木材や工具、完成した作品、そして制作中の筆記具などが所狭しと並んでいました。
その中に見つけました!ペンハウスとのコラボで使用されるアセテート軸材です。ずらりと並び加工の順番を今か今かと待ちわびているようです。すでに完成形になっているものも混じっています。
あの直線美のエクステンダーは元々はこのような形をしているのですね。
関心しているのも束の間。早速、加工の様子を見せていただけるということで動画で撮影してきました。まずは匠の技をご覧ください!
アセテートはまた別物
普段は木材を中心に作品作りをされている永田さんですが、今回ペンハウスとのコラボレーションでは、木材ではなくアセテート素材で制作を依頼しました。これまで鹿角やアクリルレジンなど、様々な素材で作品を制作されてきた経験豊富な永田さんでさえ「アセテートはまた別物」と言うほど加工は困難だったようです。
アセテートは木材パルプ(セルロース)を原料にしたアセチルセルロースから作られる繊維質の素材です。優れた手触り・発色の良さ、地球に優しいと良いことばかりのアセテートですが、デリケートな素材のため、木やアクリルなどとくらべても加工に大変な手間がかかってしまいます。そのため加工できる職人も現在では少なくなりつつあります。
しかしながら一切の妥協を許さない永田さん。試行錯誤を繰り返し、「持てる技術で全力で作った」という作品はこの上ない仕上がりです!
美しい「杢」の世界に魅せられて
学生時代よりインテリアデザインを学び、オーストラリアやスウェーデン、アメリカなど世界各国で家具作りを学んだ永田さんは2004年に「工房楔」を立ち上げます。当初は家具や器を作っていたそうですが、どんどん美しい「杢」の世界に魅せられていき、本当に良いと思った特別な木材で作品を作ろうとすると、その稀少性から作品のサイズが文具など小さなものへと変わっていったそうです。「今ではその小さな世界の中に美しい模様をどう表現していけるか。そういう仕事をしている」と永田さんは語ります。
洗練されたデザインに秘められた「こだわり」
「工房楔」のステーショナリーは美しい仕上がりと洗練されたデザインが魅力ですが、そこにはただならぬ「こだわり」が秘められているようです。
例えば今回のエクステンダーに使われているステンレスのパイプ部分。永田さんの手により真っ直ぐに加工された軸材には僅か0.04mmというサイズの誤差があるだけでも入らないという問題が生じてしまいます。ここで妥協しようと思えば、安い既成品のパイプを使用することも可能ですが、「そういうのを作っていてはいけない」と永田さんは言いいます。
「Pent×工房楔」のエクステンダーには無垢のステンレスから削り出した特注のパイプを使用。永田さんの厳しいチェックに合格したパーツだけがエクステンダーに使用されています。
こだわり抜いた精度の追求。かたくなに本物を求める姿勢。それらが「工房楔」作品の洗練されたデザインに隠されているのです。
「妥協して安いものを作るのは簡単、本当に良いものだけを作りたい」。力強い永田さんの言葉がとても印象的でした。そんな職人が手間暇をかけて作り出すものは逸品に違いありません。
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Pent×工房 楔 トゥラフォーロ アセテート/ステンレス ペンシルエクステンダー