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いつかは作りたい旅ノートのためのエフェメラの集め方

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 旅行から戻ってきて、楽しかった想い出を1冊のノートにまとめようと思って、いざノートを前にすると、どうやって書き始めたらいいのやら?
途方にくれて「やーめた!」という経験は無いですか。
旅ノート歴15年の私が、簡単に始められる旅の想い出ノート作りのヒントになるコツを紹介します。

旅ノート作りの基本はコンテンツ集めから

 コンテンツと聞くとなにか面倒くさそうなイメージをもたれるかも知れませんが、旅の想い出になるものであれば、なんでもかまいません。
SNSを眺めていると、可愛いイラストやコラージュで飾られたノートを目にすることがあって、絵心のないユーザーにとってハードルが高いもののように感じますが、旅の想い出ノート(以下旅ノート)はもっとシンプルなものです。
そこで、旅行中に入手できる「エフェメラ」(詳しくは下記で)を、できるかぎり集めて、自宅に帰ってからゆっくりと旅ノートを作り楽しみましょう。

エフェメラってなに?

 エフェメラとは、”一時使用を目的とした印刷物”という意味で、チラシやチケットなどの紙ものの類いです。
では、どんなものが、旅の想い出になるエフェメラになるのかについて解説します。

チラシ・パンフレット

 エフェメラの代表的なものといえば、観光案内所などに設置されているチラシや博物館などの入場券(半券)などです。
これらが優れているのは、訊ねたい観光地や施設の詳しい紹介が印刷されているので、旅行中に役立つ資料でもあります。
旅行中に活用した、チラシやパンフレットから、必要なページやその一部を切り取って「旅ノート」に貼り付けるだけで「書く手間」の部分を省略できます。

乗車券などのチケット

 
 乗車券や航空券には、日付や時間に列車名・便名などが印刷されていて、間違いなくその列車・飛行機に乗車・搭乗したことの証明になります。
使用済みの乗車券も、駅の改札口で「記念にいただけますか?」と訊ねると、無効印を捺してから渡してくれるので、乗車券はかなり強力なエフェメラになります。

旅程メモ

 

 パソコンの時刻検索を使って調べた結果を印刷したものは、旅行中に役立つ資料ですが、旅行が終わってからも、旅のスケジュールを記録したものとして役立ちます。
役目を終えたらポイッとゴミ箱へ捨てるのではなく、少しでも想い出になりそうなモノは、旅ノートのコンテンツにとっておきましょう。

領収書

 
 以前、コンビニエンスストアで買い物をした時、うっかり店舗に傘を忘れてしまったことがありましたが、財布の中にレシートをとっておいたおかげで、電話で連絡して無事に確保できました。
レシートには、店舗名と電話番号がしっかりと印字されているので、これも立派なエフェメラとして使えます。
但し、最近のレシートは時間と共に印刷が消えてしまうので長期保存には向かないかもしれませんが、とりあえずなにごともキープしておくことが基本です。

ショップカード

 きのう、外出先で食事を摂ったお店の名前をおぼえていますか?
旅先で偶然出会ったとっても美味しいお店はそれだけで、旅のコンテンツです。ぜひ、映える写真を撮っておきましょう。そこで大切なのは、料理はもちろんですが、お店の名前もしっかり控えておくことです。店名などは、意外に覚えていないことが多いので、箸袋やショップカードも、大切なエフェメラになります。

地元の新聞

 近年、ボクが新しい旅のコンテンツに加えたものが「地方紙(地元の新聞)」です。
読売新聞や日本経済新聞など日本中どこへ行っても手に入る新聞ではなく、可能な限り地元の新聞を選びます。
ひとつには、ここにも日付が表記されているので、「〇〇新聞」と印刷された部分を切り取って旅ノートに貼るだけでも、その日、その場所に行ったことの証明になります。
また、全国紙にはない地元だけでの情報が掲載されていて、旅のヒントにもなったりする上に、テレビ欄や天気予報をみるだけでも、その地方の特徴が見えて、普段とは違った視点で新聞を楽しめます。

郵便局の風景印

 旅先のポストにハガキや封書を投函すると、集配を管理する郵便局の消印が捺されます。
これを利用して、自分宛にハガキを投函すれば、その土地の地名(郵便局)の消印でハガキが自宅に届きます。これだけでもエフェメラになりますが、全国にある約23,000の郵便局のうち、約10,000の郵便局にはその土地にゆかりの風景や伝統などがデザインされた「風景印」という消印をもつ郵便局があります。
この風景印は、取り扱いがある郵便局の窓口であれば、投函するハガキはもちろんですがメモ用紙などに最低郵便料金(ハガキ相当)の切手を貼れば、その場で押印してもらって持ち帰る事もできます。
旅先から自分宛に絵はがきを送るのも、帰ってからのお楽しみにもなりますし、その場で押印してもらって、旅ノートの素材とするのも楽しいものです。
2024年10月1日から郵便料金の改定があり、ハガキは85円、封書は50gまで110円になりましたが、この料金で日本全国にハガキや手紙が届くのはホントに嬉しいサービスです。

ホテルや旅館などの宿泊施設のメモや便箋

 ホテルや旅館に宿泊すると、その宿泊施設のロゴや名前がはいったメモが用意されています。また、ちょっとゴージャスなホテルなら、便箋や封筒まで備え付けられていて、そんな時は友人に一筆したためるほか、上記の風景印を活用して自分宛に送ってもいい記録になります。 メモ用紙なら、1~2枚ほど記念にいただくのもいいかなと・・・(^_^;)

旅行愛好家の備忘録

 エフェメラという言葉をはじめて耳にしたのは、フリーアナウンサーとして、また紙収集家として本も書かれている堤信子さんからでした。
一度、それらのコレクションを収めた文具部屋にお邪魔したことがありましたが、世界中を旅して集められた美しい紙に囲まれた素敵な空間でした。
ボクのような一般人の場合、個人の書斎で管理するのは限界があるので、旅で集めたエフェメラは旅の想い出といっしょに、1冊のノートにまとめるようにしました。
ノート作りを楽しむ人にはもちろん、面倒くさいのは苦手というひとも、今回の記事で紹介した旅の想い出のかけらを、ただただノートに貼るだけでも、立派な旅の想い出ノートを作れます。
他人に見せたり、SNSで披露したりする必要のない、ありのままの自分で楽しめるノート作りをボクは推奨しています。

この記事を書いた人

出雲義和
出雲義和
文具ライター、システム手帳から綴じノートまで複数の手帳を使い分ける、手帳歴40年のマルチユーザー。
「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイドブック」などの文具雑誌や書籍をはじめ、旅行ライターとしても執筆活動を行い、文具と旅の親和性を追い求める事をライフワークとしている。
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