
今月は清明穀雨にあわせ、Pentオリジナルインク、
彩時記やコトバノイロのお色見本を中心に、
ペンハウス取り扱い商品もあわせ、ご紹介します。
春色バトンリレーのごとくあれかし、どうぞよしなに。
24節気にあわせ、開花まつ春のつぼみは、
相互フォローの樹木医・櫻井健太氏
(2025.03.11「マツコの知らない世界」内「つぼみの世界」に出演・XやYouTube「樹木医の植物紹介」)、
より許可をいただき、櫻井氏の撮影画像を参考に描きました。
今月は、とんがり帽子のようなつぼみが可愛いヤマブキと
くるくると折りたたまれた長い花びらが濃い彩りをそえるトキワマンサク、
青い春告げ鳥としても有名なオオルリを。

用紙:SAKAEテクニカルペーパー・イロフル
使用インク:Pent:彩時記・向日葵・桜
IWI:Color of Nature春コレクション・清明・穀雨
Gペン:立川ピン製作所・タチカワGペン特上品
ガラスペン:寺西化学工業株式会社・ギター・オーロラロング・キャップ付き・ジェリーレッド

色鉛筆:Pent:ぺんてる・芯ホルダー マルチ8セット
油性ペン:立川ピン製作所・タチカワミリペン・ファインポイントシステム
今回は、万年筆インクを先塗りしたあとに、
仕上げとしてマルチ8を影色として上塗り、
油性ミリペンで輪郭を最後に足しました。


トキワマンサクのつぼみの苞が花びらと質感がちがうので、
上塗りのマルチ8を強めに塗り、芯の粉をあえて残します。
ミリペンでその粉を巻き込むつもりで斜線を軽くいれます。

マルチ8は最初から芯の先端がとがっているので、
細い線もすぐに引けるところがおきにいり。
セットなら削り器も付いていてとても便利!
オオルリの隣にある、小花を付けた茂みには、
白いクレヨンを使ってバチック(あとからインクを塗ってクレヨンの形を浮かび上がらせる)技法にて。

以前にもご紹介したsuttaのノートに使われている用紙のコンケラー(旧)、
とても気に入りまして元紙を個人で求めています。
しっかりとした紙地、やさしい触り心地、
どの筆記具でも心地よく書ける感覚、
なによりも、「乾きが早い」ことが個人的にイチオシ!
水分多めのインクは多少にじみますが、
そんな時は増粘剤を加えて書けば大丈夫。
(注意:増粘剤は万年筆内には絶対に入れないでください。)

にじんだり裏抜けする用紙があります。
お蔵入りにするまえに、一工夫。
江戸時代の画家、伊藤若冲も好んでいた「裏彩色」。
若冲に倣って、にじむ&抜ける紙の裏側にあえて
インクをたっぷり塗ります。
じわじわとゆっくり表面に抜けてくる様子も面白い。
しっかりと乾燥させたあと、表面に裏抜けた色を背景として、
今回は、にじみにくい液体=墨汁で言葉を上から重ねます。
カリグラフィーインクの粘度に似て書きやすく、
くっきりとした黒、そして乾燥も早くて、
「にじむ・裏抜けする紙」を活かすには重宝する墨汁。

つけペン:立川ピン製作所・タチカワつけペン先セットT-DPS
中央の黒太字はタチカワつけペン先セットの中にあるC型3mmという種類。
普通は洋文字に使うものを日本語で。
周囲のインク文字は同セット内のGペンです。
5種類のペン先と軸、インクまでそろった便利な「つけペン先セット」。
それぞれのペン先のコツや普段使いへの工夫などについては、
また次の機会にご紹介予定!


用紙:sutta・MEMENTO_Pocket
インク:Pent・tsuzuru・祈り
IWI・Color of Nature春コレクション・穀雨
春の色、人の祈りをあらわしたインクを使って。
陽気にさそわれて、景色のスケッチにも良い季節。
出雲義和さんのコラムでもご紹介されていた「マルチ8」。
1982年発売の初代黒色モデルは現在廃番、
(これも当時は画期的で目からうろこ落下、大変便利でした)、
2024年リニューアルとなり種類が増えてますます使いやすい!
マルチ8についてはまた次の機会であらためてお伝えしますが、
今回の使い方は、上記のとおり、
1.インク塗りのあとの上書き仕上げ
にあわせてもう一つ、こちら。↓

2.下地として、下書きざっくり。
ざっくりしすぎ。
でもこれで大丈夫!

併用追加インク:Pent・彩時記・藤富咲・夏天・他前述。
Pent :コトバノイロ・蒼穹



追加併用筆記具:STAEDTLER・テキストサーファーゲル・グリーン
ぺんてる・MATTEHOP(マットホップ)
いろいろな道具で、
河岸の桜・車両と菜の花畑・富士とネモフィラ・大藤棚の春色四景を。
先に塗ってあるマルチ8は普通の色鉛筆同様、
色粉を固めてあるワックスのおかげで、
上から水性インクをかさねても程よく浮き上がるバチック技法に最適。
マルチ8は濃いめにぐりぐりと塗り、
上から水性インクを
「べったり塗る部分」と
「すきまを作って塗る部分」に分けて色を入れ、
最後のしあげは、わたくしも今まで多用しているミリペンやマットホップで。
顔料ゲルインキのマットホップはくっきり鮮やかな発色で
仕上げの色入れに最適!特に人工物などの表現に重宝します。
マットホップもマルチ8同様、次にあらためてコツをご紹介予定!
「次にご紹介!」が、だんだん積算されてきました!がんばります!
色にいざなわれて開ける扉の向こうにひろがる、
濃く淡く美しい万年筆インクやさまざまな筆記具、紙の世界。
文具の楽しみの入り口となれば幸いです。
標高700m越えの山に住んでいるわたくしにも、
遅ればせながらようやく、短い春爛漫の景色が。
毎年ウグイス師匠が庭にやってきて鳴き方講座を開講。
口笛でのコール&レスポンスの春、
(またヘタクソな鳴き声のお前か…やれやれ)と
毎回なんとも微妙な間をくれるウグイス師匠から、
いまだウグイス講義の単位をいただけていない朝比奈斎でした。(花粉症のせいだ!また来年受講生!)
ではまた。ほーほけきょ&おおくさめ。
<登場インク>
・Pent〈ペント〉彩時記 向日葵
・Pent〈ペント〉彩時記 桜
・Pent〈ペント〉彩時記 藤富咲
・Pent〈ペント〉彩時記 夏天
・Pent〈ペント〉tsuzuru
・Pent〈ペント〉コトバノイロ 蒼穹
・IWI Color of Nature 春コレクション
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この記事を書いた人

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憧れの高級文具から教室に忘れ去られた名もなき消しゴムに至るまですべての文具を偏愛する者。
文字は下書き無し・肉付け塗り無しの一発書き。
文具・画材・多肉愛好家として雑貨店「SHOP511」にて多肉植物の育成販売と文具雑貨諸事の販売に携わる。好きな言葉は「玉石混淆」
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