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琥珀月(こはくづき)~彩時記コラム~

■琥珀月(こはくづき)
彩時記シリーズに新色が加わった。それがこの「琥珀月」だ。 「月鈴子」「秋麗」「秋景」「葡萄」に続く秋を彩るインクとして登場した。 まず、そのネーミングが秀逸だと思う。 琥珀色の月はまさに秋の夜空に浮かぶ月を彷彿とさせる。ぼんやりと霞がかかった美しい月は、幼い頃の思い出をよみがえらせてくれる。それが琥珀色の記憶として脳裏に浮かぶ様がインクの色に封じ込められているような気もしてくる。

ぼくは月だとか星だとかという天体が大好きで、子どもの頃から、暇さえあれば、ずっと空を眺めていた。 天文学を学びたいと思ったこともあったくらい(でも数学や理科が苦手なので、あっさりとあきらめてしまったけど)。 中でも月は肉眼でも良く見えるし、毎日のように月の満ち欠けを感じることができるので、月が出ていると、ついつい「この月はこれから満ちていく月なのだろうか?それとも細くなっていく月なのだろうか?」と考えてしまう。 さらに、この月を昔の人たちもきっと見上げていたんだろうなと思うと、さらにロマンティックな気持ちになってしまうのである。
そんな月をモチーフにしたインクがこの「琥珀月」だが、琥珀という色のイメージは人によって異なる。もともと琥珀とは、地質時代の植物樹脂のことで、これが地層に埋まり、年月が経つことによって化石化したものだ。だから、色のイメージも、濃い部分だと茶色を思い浮かべる人もいるだろうし、薄い部分だとオレンジ色やクリーム色と思う人も少なくない。 そして、この「琥珀月」は少し明るめのオレンジだ。でもただ単に明るいだけではなく、どこか柔らかみのある色に仕上がっているところが面白い。
例えば冬の月はもっと冷たいような凛とした光を放っているし、春の月はぼんやりとかすんだ色になるし、夏の月の印象は、もう少しくっきりとした金色のイメージがある。ところが秋の場合は、明るいオレンジ色なのだけれども、どこか丸みのあるオレンジという印象がある。春のおぼろ月とは違った柔らかみのある色なのだ。 それを見事にインクで表現しているところにこの「琥珀月」の面白さはあるのではないだろうか。 同名の万年筆とともに、残り少ない秋の夜長を楽しみたいところだ。

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Pent〈ペント〉 ボトルインク 彩時記 秋~autumn~ 琥珀月(こはくづき)

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