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万年筆を始めたい方への基礎講座<万年筆選び&購入編>

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万年筆を始めたい方への基礎講座<万年筆選び&購入編>

万年筆を使ってみませんか?
「万年筆は難しい」「何を買えば良いかわからない」「買ったものの使い方がわからない」など、万年筆には少し敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、基本をきちんと理解すれば万年筆選びやお手入れの不安もなくなるはず。

今回は万年筆の基礎知識から選び方、使い方とお手入れについても順番にご説明いたします。少しでも皆様の疑問解決のお手伝いができれば幸いです。

万年筆の魅力

まず最初に、万年筆の魅力とは何でしょうか?
少し考えてみたいと思います。

文字に表情が生まれる

よく万年筆で書くと「字が上手に見える」「雰囲気のある文字が書ける」などと言われることがあります。ボールペンの場合、字幅の揃った一定の線を引くことは可能ですが、どうしても文字の表情がなくなってしまうのに対し、万年筆は筆圧の強さやペン先の角度、インクの出方によっても書き手のクセや特徴が大きく文字に反映されます。

自分らしい表情の文字が書けると、自分の文字が好きになり、書くことが楽しくなります。書く事が楽しいので、ますます万年筆が好きになっていくのかもしれません。

文字に表情が生まれる

万年筆ならではの書き心地

万年筆で文字を書くときは手に力を入れる必要はほとんどありません。ペン先を紙面に置き、手を動かしていけば、ほぼ万年筆自体の重さだけで筆記する事が可能です。思考を邪魔せずサラサラと流れるような書き心地が楽しめるのも万年筆の魅力のひとつです。

万年筆ならではの書き心地

使い続けることで自分だけの万年筆に

万年筆のペン先は使い続けていくうちに先端部分が摩耗し、より自分の書きやすい形状へと変化していきます。メンテナンスやお手入れを繰り返すうちに、自分の個性とこだわりが反映された「一生モノの相棒」へと進化していきます。

使い続けることで自分だけの万年筆に

インクを選ぶ楽しさ

万年筆のインクは現在、各メーカーや販売店オリジナルなど、数え切れないほどの種類が存在しています。そのなかから自分好みの色を探したり、シリーズ全色コンプリートするなど、インクを選ぶ楽しみは他の筆記具と比べても万年筆がダントツ豊富です。

インクを集め始めると沼のように抜け出すことができなくなってしまうことから「インク沼」などという言葉が愛好家の中で登場するほどです(笑)

インクを選ぶ楽しさ

万年筆の歴史

万年筆は英語で「fountain pen(泉のペンの意)」と呼ばれ、はじめてその名前が用いられたのは今から200年以上前の1809年。イギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュ氏と、ジョセフ・ブラーマー氏がペン本体にインクを貯める仕組みを開発し同年に特許を取得しています。

その後、1883年に当時アメリカの保険外交員だったルイス・エドソン・ウォーターマンが大口契約を取り交わすサインの際、ペンからインクがこぼれ契約を逃がしたという苦い経験から、世界で初めてインク漏れの少ない毛細管現象を応用した万年筆を創り出しました。そのスタイルが現在の万年筆の礎となっています。

万年筆の選び方

万年筆を選ぶ時、まず最初に考えたいのがインクの吸入方式。ご自身の用途やスタイルに合わせてお選びいただくことができます。

万年筆のインク吸入方式

万年筆はインクの吸入方式によって大きく3つに分けることができます。

吸入式
吸入式
ボトルインクを用いてペン先からインクを吸い上げ、ペン内部にインクを貯め使用します。古くより用いられている方法で、一度に大量のインクを吸入できるのも魅力です。

カートリッジインク式
カートリッジインク式
インクがカートリッジと呼ばれるビニールパックに入っており、ペン内部に差し込む形で使用します。使用が簡単で、携帯にも向いています。

両用式
両用式(コンバーター式)
取りはずし可能なインク吸入器「コンバーター」を装着し、吸入式のように直接ペン先をボトルインクにつけインクを吸い上げます。コンバーターの代わりに、カートリッジインクを装着し使用することも可能です。

<ペンハウススタッフのひとこと>
とにかく手軽に始めたい方はボトルインクもカートリッジインクも使える「両用式」がおすすめ。たくさん字を書く方や本格的なインク吸入を楽しみたい方は「吸入式」が最適です。

ペン先の素材

万年筆のペン先素材は一部の特殊なものを除き「金ペン先」、または「スチールペン先」がほとんどです。一般的にスチールよりも「金ペン先」の方が柔らかく書き心地が良いとされています。「金ペン先」の中でも14金、18金、21金、24金と金の割合が多い方が柔らかくなりますが、ペン先の厚みや形状による影響も大きく、14金の方が18金より柔らかく感じる場合もあります。

ペン先の素材

<ペンハウススタッフのひとこと>
スチールペン先と比べると金ペン先は書き心地が良く高価になってきます。とはいえ近年のスチールペン先は大変書き心地も良く実用性も高いので、始めての万年筆には非常におすすめです。使用頻度や予算に合わせてお選びください。

ペン先のサイズ(文字幅)

EF,F,M,Bなど万年筆のペン先には様々なサイズがあり、購入時には必ず迷ってしまうポイントです。

同じサイズのペン先でも、海外メーカーのペン先は日本製のものと比べると、やや太い傾向にあり、メーカーの基準によっても異なっています。ここでは一般的なペン先の名称と特徴を取り上げてみたいと思います。

EF(極細字) 手帳などに画数の多い漢字や小さい文字を書く時におすすめ。
F(細字) ノートや手紙などたくさんの細やかな文字を書く時に最適です。
M(中字) 汎用性が高く幅広い用途でご使用いただけます。贈り物にもおすすめ。
B(太字) 原稿用紙などに悠々と筆記する際に最適。万年筆ならではの贅沢な書き心地を堪能できるペン先です。
BB(極太字) 契約書のサインやここぞという場面で使いたい存在感を放つ極太ペン先。

この他にも傾斜のついた「オブリーク」や毛筆筆跡の「フォルカン」など特徴的なペン先を搭載している万年筆もあり、知れば知るほど万年筆の奥深い魅力を堪能できそうです。

<ペンハウススタッフのひとこと>
ペン先の素材とサイズによっても書き心地や書ける文字が大きく変化する万年筆。逆に何を選んで良いか分からなくなってしまったという方に参考データをひとつ。ペンハウスのお客様のうち、始めて万年筆を選ぶ方やギフトなどで万年筆を選ばれる場合、海外メーカーなら「EF(極細字)」、国産メーカーなら「F(細字)」が一番人気です!

万年筆の各部名称

両用式の各部名称

両用式の各部名称

吸入式の各部名称

吸入式の各部名称

ペン先の詳細

ペン先の詳細

先端についたペンポイントが紙に触れると毛細管現象によってペン芯の溝を通ってペンポイントにインクを供給。流れ出したインクと入れ替えに空気を軸内に取り込むことで連続的にインクが出る仕組みになっています。ペン芯に施された多数の溝には余分に供給されたインクを一時的にためておく機能があります。

※毛細管現象(もうさいかんげんしょう、英: capillary action)とは、細い管状物体(毛細管)の内側の液体が管の中を上昇(場合によっては下降)する物理現象である。
(出典:ウィキペディア)

まとめ

今回は万年筆の基礎知識をご説明しましたが、少しは疑問点がなくなりましたでしょうか。難しい部分もありますが、その奥深さやメンテナンスの作業もまた万年筆ならではの魅力のひとつ。是非手にとって万年筆の世界を楽しんでいただけることを願っております。

次回、逸品の小部屋では万年筆基礎講座の続編『使い方&お手入れ編』を掲載予定!万年筆を購入されたばかりの方は是非ご覧ください。

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